猫に『おむつ』を履かせたい4つのシーン

猫におむつを使うのは、決して特別なことではありません。加齢や病気、ケガなど、日常のさまざまな状況で役立ちます。ここでは、おむつが特に効果的な4つのシーンを紹介します。
1.高齢でトイレまで間に合わないとき
年を重ねると、足腰の筋力が低下し、歩くのがゆっくりになります。その結果、トイレに間に合わずに粗相してしまうことも。
また、膀胱や肛門の筋肉が弱くなり、無意識に排泄してしまうこともあります。繰り返す粗相で猫が汚れるのを防ぐために、おむつを使って清潔さを保ちましょう。
2.マーキングや粗相が頻発したとき
猫はストレスや環境の変化、発情などによって、マーキングや粗相を繰り返すことがあります。このような行動が続くと、家の中を清潔に保つのが難しくなり、飼い主のストレスにもつながります。
原因が一時的なものであれば環境改善などで解消できますが、すぐに対応できない場合は一時的におむつを利用して汚れを防ぐのも有効です。ただし、マーキング行動が続く場合は、ストレスや病気のサインであることもあるため獣医師に相談を。
3.ケガや手術後で動けないとき
足を骨折したり、手術後で安静が必要なときも、猫はトイレに行くのが難しくなります。トイレのたびに抱えて移動するのは、猫にも飼い主にも大きな負担です。
そのような時期は一時的におむつを利用して、安全に排泄できる環境を整えてあげましょう。
4.病気で排尿コントロールが難しいとき
「膀胱炎」「尿路結石」「慢性腎不全」「糖尿病」などの疾患では、頻尿・多尿・尿失禁などの症状が出ることがあります。
病気の治療と並行しておむつを活用することで、清潔を保ちながら猫の快適さを守ることができます。使用を迷う場合は、獣医師に相談してから導入するのがおすすめです。
猫用おむつの選び方と着脱のコツ

おむつを快適に使うためには、サイズ選びと着脱のしかたがとても大切です。合わないおむつや乱暴な扱いは、猫に不快感を与え、ストレスの原因になります。ここでは、正しい選び方とスムーズな着脱のポイントを紹介します。
サイズ選びのポイント
猫の体格に合ったおむつを選ぶことが基本です。事前に胴回りと体重を測り、メーカーのサイズ表を参考にしましょう。きつすぎると皮膚がこすれて炎症を起こし、ゆるすぎると漏れの原因になります。
また、しっぽの位置にしっかり穴が合っているかも大切です。猫はしっぽの付け根が細いため、猫専用または小型犬用のしっぽ穴付きタイプがおすすめ。
着脱のコツ
おむつをつけたり外したりするときは、できるだけ猫をリラックスさせてから行いましょう。急な動きや無理な体勢は、猫に恐怖を与えてしまいます。
【着けるときの流れ】
- 優しく声をかけながら猫を落ち着かせる
- おむつをしっぽの下から通し、体に沿わせる
- テープを止める前に位置を微調整する
【外すときの流れ】
- そっとテープを外しながら体を支える
- 毛に粘着がつかないよう注意しながら外す
- 外した後はお尻周りを清潔なタオルで軽く拭く
おむつの着脱を「怖いこと」と感じさせないために、短時間・優しい声かけ・ごほうびを組み合わせて慣らしていくのがおすすめです。
嫌がる場合の慣らし方
初めての装着で嫌がる猫も多いですが、少しずつ時間を伸ばして慣らすことで抵抗が減ります。 最初は数分だけ装着し、ごほうびをあげながらポジティブな印象をつけましょう。
どうしても暴れる場合は、無理に着けず、動物看護師や獣医師に相談するのが安心です。
まとめ

猫におむつを使うのは、決して「かわいそう」なことではありません。高齢や病気、ケガなどで排泄が難しくなったときに、清潔と快適さを守るためのサポートとして大いに役立ちます。
ただし、長時間つけっぱなしにしたり、サイズが合わないまま使い続けると逆効果になることも。こまめな交換や体に合ったおむつ選びを意識し、トイレ環境も見直してあげましょう。