英独戦闘の歴史を振り返る博物館

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「Battle of Britain」(バトル・オブ・ブリテン)をご存じでしょうか。第2次世界大戦中の1940年7月から10月まで、英国上空とドーバー海峡でドイツと英国双方の空軍が戦い、英国が勝利した「史上最大の航空戦」です。英国ケント州にある「Battle of Britain博物館」は、この戦闘に関する世界最大のコレクションを所蔵していることで知られています。
でももう1つ、この博物館を世界的に有名にしている存在は、マスコット猫のScramble(12歳)です。2014年5月以来、このメスの白黒猫は世界中にファンを抱えていて、猫に会うためだけに来館する熱心な人も後を絶たないのです。
世界各地からプレゼントが

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Scrambleは入口で来館者を出迎え、楽しい時間を過ごせるよう案内するとともに、ここで働くボランティアが休憩を取りすぎないよう見張ったりもしています。同館のマネーシャーDave Brocklehurstさんは、次のように話しています。
「Scrambleは事実上、博物館のボスです。この猫は、誰もが彼女の命令に従うべきだと信じているようです」
これまでにオーストラリア、ニュージーランド、クルディスタン、チリ、ブラジル、アルゼンチン、アメリカ、カナダ、そしてヨーロッパのほとんどの国々から、Scrambleへの贈り物(おやつ)が送られてきました。クリスマス・プレゼントやバレンタインデーのカードも受け取ったそうです。人気のほどがわかりますね。
「数年前には、ドイツ人観光客がフィッシュ・アンド・チップスの残りをわざわざ持って来てくれましたよ」と笑うDaveさんです。
彼とこの猫は一緒に博物館の中で暮らしています。もともと捨て猫だったのを保護され、この博物館に引き取られたのだそうです。
「Scrambleはわたしに忠実で、仲良しなのですが、博物館で働くボランティアが猫のおやつを持参したときだけは、さっさとそちらのほうに行ってしまいます」
博物館活動に、おおいに貢献

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2025年初めにScrambleは、6点しか現存しない「バトル・オブ・ブリテンのメダル」を博物館が購入するための資金調達キャンペーンに協力し、見事成功に導きました。それだけではありません、この猫は寄付活動や、博物館の主要プロジェクトにも参加しています。2023年には、ハインケル機を元の展示位置から新しい場所に移設する作業を組織・監督してその実力を発揮しました。
この猫が、博物館での自身の任務に大きな誇りをもっているのは明らかですね。
Scrambleのお気に入りの場所はいくつかありますが、なかでもLord Dowding記念格納庫にある「メッサーシュミットBf109」の墜落場面のジオラマによくやってくるそうです。きっとそこの地面の感触が気持ちよいのでしょうね。
人気者のScramble。これからも元気で、ますます博物館を盛り立ててほしいものです。