猫にとって『1匹飼い』と『多頭飼い』どちらがいいの?知っておきたいメリット・デメリットとは

猫にとって『1匹飼い』と『多頭飼い』どちらがいいの?知っておきたいメリット・デメリットとは

猫をお迎えしたら、2匹目を迎えていいのか迷うこともあるかもしれません。今回は、1匹飼いと多頭飼いのメリット・デメリットについて解説します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

1匹飼いのメリット

日向ぼっこする猫

マイペースに過ごせる

猫は、もともと単独で生きる動物です。1匹で飼う場合、食事、排泄、寝床などの取り合いも起こりません。自分のペースで好きなように暮らせることは、猫にとって大きなメリットといえるでしょう。

健康管理がしやすい

猫の体調が悪化したときに、尿や吐しゃ物の採取が必要になる場合があります。1匹で飼っている場合は、どの猫のものなのか一目瞭然です。また、飼い主の目が行き届きやすく、体調の異変に気付きやすいという利点もあります。

飼い主との関係を築きやすい

1匹で飼っている猫と多頭飼いしている猫とでは、飼い主と関わる時間が異なります。1匹で飼っている猫の方が関係を築きやすいといえるでしょう。猫と親密なコミュニケーションを取れることは、飼い主にとってもメリットといえます。

1匹飼いのデメリット

退屈そうな猫

退屈になりやすい

単独で過ごす動物とはいえ、猫もある程度の社会性を持っています。あまりに他者との関わりが少ないと、退屈に感じてしまうこともあるようです。猫が好きな「狩り」の動きを取り入れた遊びで、飽きさせないようにする工夫が必要です。

運動不足になりやすい

遊ぶ機会が少ないということは、運動不足になりやすいということです。飼い主からおやつをもらう機会も多く、肥満になりやすい点はデメリットでしょう。肥満は健康を損なう原因にもなるため、注意が必要。飼い主がかまえないときでも積極的に動けるよう、キャットタワーやキャットウォークを設置しましょう。

分離不安になりやすい

飼い主との絆を深められる反面、飼い主に依存心を持ってしまうケースもあります。飼い主が見えないと大声で鳴いたり、不安から体調を崩す場合も。猫にとっても飼い主にとっても大きな負担となるため、ベッタリにならないようバランスを取ることが大切です。

多頭飼いのメリット

ソファでくっついて眠る2匹の猫

いい刺激を得られる

相性がいい同居猫がいると、猫同士のコミュニケーションを取り合うようになります。その結果、遊びの幅が広がったり、楽しみが増えたりといった効果も期待できます。加齢で自由に動けなくなってからも、同居猫の存在は大きな刺激となることでしょう。

留守番中も退屈にならない

猫は群れを作らない動物ですが、狭い部屋の中に1匹だけという状況は本来ありえません。仲のいい同居猫がいれば、お留守番中の猫の寂しさを紛らわすことができます。1匹ごとに専用の寝床を作っておけば、1人になりたいときに移動することもできます。

肥満になりにくい

そもそも、室内猫は慢性的に運動不足になりやすいといわれています。多頭飼いの場合は、ある程度の活動量を確保することが可能です。精神的な面だけでなく、健康維持にもいい効果をもたらしてくれる可能性があります。

多頭飼いのデメリット

にらみ合う二匹の猫

猫同士のトラブルが起こる

多頭飼いのメリットは、猫同士の相性がいいことが前提です。仲が悪いと、ストレス以外のなにものでもなくなってしまいます。途中で関係性が変わることは珍しく、生涯にわたってストレスを抱える可能性もあります。

お世話の手間や出費が増える

当然のことながら、頭数の分だけお世話も増えます。トイレ掃除や爪切りなどの手間が増えることは、飼い主にとってデメリットといえるでしょう。また、食費や医療費が倍になることも気を付けなければなりません。

災害時の避難が困難になる

最近では、ペットと避難できる場所も増えてきています。しかし、頭数が増えれば増えるほど、受け入れてもらえる可能性が下がってしまうでしょう。多頭飼いする場合は、災害時の対応についてあらかじめ考えておくことをおすすめします。

まとめ

仲良しな猫たち

1匹でも多頭飼いでも、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分の生活環境や猫の性格を考えた上で、どちらがよいか決めるといいでしょう。

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