猫の身体
高い運動能力
猫の運動神経が良い事は周知の事実ですが、一体どれほどの運動能力を持っているのか具体的には分からない方も多いと思います。
実は、どんな猫も2~3mほどの壁は軽く超えられ、自分の体長の約4倍以上も高く飛べる事が出来るのです。さらに、本気を出して走れば時速50㎞も出す事ができます。
では、そんな運動能力を持つ猫の身体について詳しく見ていきましょう。
しなやかな動き
猫独特のしなやかな動きには、猫の背中が鍵を握っています。猫は人間に比べ胸椎、腰椎の数が多い事と、さらに関節が柔軟な背骨が独特のしなやかな動きを作りだしています。
落下しても上手く着地出来るのもこのためです。ちなみに、人間には200本の骨がありますが猫は240本と人間より40本ほど多くしかも鎖骨がありません。鎖骨が無い事により狭い場所にもすいすいと入り込む事が出来るのです。
身体の部位と役割について
爪
猫の爪は鋭い、鉤爪になっています。獲物を押さえたり攻撃の為の武器でもあります。この爪は2重構造になっており、新しい爪が下に重なっています。自由自在に出し入れする事ができ、普段は収納している事が多いです。
肉球
ぷにぷにとした柔らかい肉球は、クッションの役割を果たします。高い所から降りる時や走っている時の滑り止めまで無くてはならない身体の一部で、肉球には汗腺がありそこから出る汗も滑り止めの役割を持っています。
目
暗闇でもすたすた歩く猫の目は、人には無い複雑な構造をしています。この目のおかげで暗闇でもわずかな光で周囲を確認する事が出来ます。動体視力が良い猫は人より広い視界と人には早く見える物が、猫にはゆっくり見る事ができます。
鼻
500m先のニオイまで嗅ぎわける事の出来る猫の鼻は、肉球同様汗腺があり猫の身体に汗腺はこの2つだけです。嗅覚は人間の20万倍以上といわれており、安全かどうかを判断するのに役立っています。
ヒゲ
猫には頬、目の上、口元、口の下、あごにヒゲがあります。これは、感覚器官でヒゲの根元に神経が通っています。状況判断に使われていたり狭い所を歩く時通れる幅なのかを測っています。
耳
猫の耳は、人間よりも聞こえる音域が広く約3倍広く聞きとる事ができます。5万ヘルツの高音まで聞きとる事ができ、ネズミの声であれば20m先まで聞けます。耳の根元に人の5倍の筋肉線維がある為自由自在に動かす事が出来ます。
歯
猫の歯は30本あり、役割が3つに分かれています。肉などこそげ落とす為の門歯、主に獲物に止めを刺す為の犬歯、肉を引き裂く為の臼歯の3つです。本来肉食動物である猫の歯は鋭く力も強いですが、犬歯は5年ほど経つと丸くなって鋭さを失います。
口
猫はグルメといわれることがありますが苦み、酸味、甘味、塩辛いなどの人と同じ味を感じる事ができる細胞を持つ為です。基本的には肉食なので、肉の味が好きな動物です。
肘と膝
自分の体長より何倍もの高いジャンプをする猫の肘や膝は、飛ぶ上でとても大切な役割を果たしています。曲げて力を溜め伸ばす時にその力をバネに高くジャンプします。
しっぽ
感情を読み取る時によく注目される長くしなやかな尾は、身体のバランスを取る為にあります。表情があまり読み取れない猫の感情が現れやすい部位でもあります。
終わりに
驚くほどの能力を持って生まれた猫ちゃん、野良猫がたくましく野生で生活できるのも納得です。人間で例えると一流アスリート並みのスペックを持ち合わせていながら私達と暮らしている猫ちゃんを考えるとちょっとしたイタズラもエネルギーが有り余っている事も仕方ないと思えてしまいますね。