1.ごはんやおやつへの関心が薄れる

普段は大好きなごはんやおやつに飛びつく猫が、突然食欲をなくしたように見えることがあります。体調不良の可能性もありますが、心理的に「悲しい」気持ちのときにも食欲は落ちやすいです。
例えば、引っ越しや家具の配置換え、家族構成の変化など、猫にとって大きな環境の変化があった場合。慣れない状況に不安を感じて気持ちが沈み、食べる楽しみさえ感じにくくなってしまいます。
また、飼い主の多忙などでスキンシップの時間が減ったときも「寂しい」と感じて食欲が落ちることがあります。
「ただの気分かな?」と放置せず、悲しさから来るものか健康面の問題かを獣医師に相談するなどして見極めることが大切です。悲しさによるものなら、安心感を与えることで徐々に改善する場合もあります。
2.静かになる、またはよく鳴く

猫は感情を声で表す生き物です。普段はよく鳴いている猫が急に静かになったり、逆にめったに鳴かない猫がよく鳴くようになったりするのは、「悲しい」などの気持ちの変化をあらわすサインの場合があります。
猫が静かになるのはしょんぼりと「気持ちが沈んでいる」、逆に鳴き声が増えるのは「不安や寂しさを訴えている」ケースが多い傾向です。
飼い主が多忙で構ってもらえないとき、猫は小さな声で呼びかけたり、夜に鳴いて存在をアピールすることがあります。また、仲良しの猫がいなくなったり、環境の変化で孤独を感じたときにも鳴き方が変化します。
3.隠れる時間が増える

猫はもともと狭い場所や暗い場所を好みますが、普段よりも長時間こもるようになった場合は注意が必要です。
お気に入りのベッドや高い場所ではなく、クローゼットや家具の裏など人目につきにくいところに隠れることが増えるのは、「悲しい」「不安だ」という気持ちから外との接触を避けている可能性があるときに見られる行動です。
たとえば、引っ越し直後や新しい家族が増えたとき、知らない人が頻繁に出入りするときなど、猫は自分の居場所を失ったように感じてしまいます。
静かな部屋にお気に入りの毛布やベッドを用意してあげることで、安心できる環境だと思えるようになり少しずつ外に出てきやすくなります。
4.遊びやスキンシップへの反応が鈍くなる

普段ならオモチャを見ただけで駆け寄ってくる猫が急に無関心になったら、もしかしたら「悲しい気持ち」が影響しているかもしれません。猫は楽しい気分でないと狩猟本能を発揮しにくいため、遊びに乗らないのはしょんぼりしているサインのひとつです。
また、飼い主が撫でても反応が薄い、そっけない態度を取る場合も同様で、「甘えたいけど気分が乗らない」「安心できない」という心の状態を映しています。
特に、来客や大きな音、ライフスタイルの変化などがあると、猫は敏感に反応し「いつもの楽しさ」を感じにくくなるのです。元気を出してほしいからと無理に遊ばせようとするよりも、静かに寄り添ってタイミングを待つことが大切です。
5.グルーミングが減る、または過剰になる

猫にとって毛づくろいはリラックスや自己表現の一環です。その頻度が極端に減ったり、逆に同じ場所を何度も舐め続けたりするのは「悲しさ」や「ストレス」が原因であることがあります。
グルーミングが減るのは「やる気が出ない」「気持ちが落ち込んでいる」という状態の表れ。一方で、過剰なグルーミングは悲しさや不安を紛らわそうとしている行動です。
愛猫の変化に気づいたら、猫がリラックスできる時間と環境を確保し、心のケアをしてあげることが重要。放っておくと皮膚炎など体の健康トラブルにつながる場合もあるため、注意深く観察しましょう。
まとめ

猫はポーカーフェイスに見えますが、実際には行動や仕草の変化を通して「悲しい気持ち」を伝えてくれています。食欲や鳴き声の変化、隠れる行動、遊びへの反応、グルーミングの異常などはすべて心のサインである可能性が考えられます。
普段愛猫の様子を見ているからこそ、飼い主がいち早く気づき、安心感やスキンシップで応えてあげましょう。ただかまうだけでなく、寄り添う・見守るといった愛情も与えることで、きっと猫は再び穏やかな気持ちを取り戻してくれるはずです。
日頃から小さなサインを見逃さず、猫の気持ちを汲み取って寄り添うことが、信頼関係を深める第一歩につながります。