ツボマッサージって、どうして効果があるの?

猫のツボマッサージは、東洋医学の考え方に基づいた自然療法のひとつです。体の表面には“経絡(けいらく)”と呼ばれるエネルギーの流れがあり、その経絡上に点在するのが「ツボ」。
ツボをやさしく刺激することで、血流やリンパの流れが整い、猫の自然治癒力や免疫力を高める効果が期待されています。
また、ツボマッサージは「触れるコミュニケーション」としても非常に有効です。優しく撫でられることで安心感を覚え、飼い主との信頼関係も深まります。
特別な道具は必要なく、指先ひとつで始められるのも嬉しいポイント。猫が気持ちよさそうにうっとりする表情を見られたら、それだけで幸せなひとときですね。
自宅で始めやすい!おすすめツボ5つ&その効能

ここでは、猫の体にある代表的なツボと、それぞれのマッサージ方法・期待できる効能をご紹介します。はじめての方は、1日1ヵ所・短時間からスタートしてみましょう。
1.天門(てんもん)
耳と耳のあいだ、頭頂部のあたりにあるツボです。この部分をやさしく円を描くように撫でることで、緊張をほぐし、心を落ち着かせる作用があります。
慣れない環境にいるときや、来客・通院前など、猫がそわそわしているときにおすすめです。
2.印堂(いんどう)
猫の額、目と目のあいだの少し上にあるツボ。軽く親指や人差し指の腹で3〜5秒ほど押さえる→離すを数回繰り返します。
ストレスを和らげ、落ち着いた気持ちに導いてくれるため、就寝前の習慣にもぴったりです。
3.大椎(だいつい)
首の後ろ、背骨の一番上あたりにあるツボ。この部分を上下にやさしく撫でたり、親指でぽんぽんと軽くタップするように刺激します。
体の冷えを防ぎ、風邪や感染症の予防、免疫力向上に役立つとされています。
4.腎兪(じんゆ)
背中のやや後ろ、背骨の左右にあるツボです。左右を交互にやさしく指の腹でマッサージすることで、腎臓機能をサポートし、シニア猫の老化予防にも。
足腰が弱ってきた猫や、なんとなく元気がないと感じるときにおすすめです。
5.尾根(びね)
しっぽのつけ根、背中側にあるツボです。この部分をやさしく円を描くようにマッサージすると、血流が良くなり、便秘や冷えの改善にもつながります。
しっぽ周りは敏感な猫もいるので、嫌がる様子がないか様子を見ながら行いましょう。
ツボマッサージで注意すべきポイントとは?

マッサージは「猫が気持ちよく感じること」が何よりも大切です。以下のポイントに気をつけて行いましょう。
力加減は“撫でる程度”でOK
強く押したり揉んだりすると、かえってストレスになってしまうことがあります。
猫の体調や気分を優先する
元気がない、食欲がない、触られるのを嫌がるときは無理に行わず、様子を見ましょう。
持病がある場合は獣医師に相談
病気の影響で刺激しないほうがよい場所もあります。心配なときはかかりつけ医に確認を。
オイルや香料は使わない
人間用のマッサージとは違い、猫にアロマや精油は基本NG。猫にとって有害なものもあるため、何もつけずに素手で行いましょう。
まとめ

ツボマッサージは、猫の体調ケアと心の安定、どちらにも良い影響を与えてくれる、飼い主さんが出来るケア方法です。
最初は数分で十分。猫がうっとりした表情を見せてくれたら、それが最高のサインです。
何よりも大切なのは「猫が嫌がらないこと」と「飼い主が楽しんで続けられること」。1日1回、ふれあいの時間として取り入れてみてはいかがでしょうか?