小学校の教室に現れた猫

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米国カリフォルニア州にあるエリジアン・ハイツ小学校の前には、校庭に沿って歩道が伸びています。その歩道のコンクリートには「Room8」と刻まれた肉球跡が残っています。さらに校舎の周囲には壁画が、廊下には肖像画が飾られています。いずれも同じ猫を描いたものです。
これらはすべて、この学校史上もっとも愛された猫「Room8」を讃えるものなのです。
Room8は1952年にこの小学校の教室に迷い込んできた大人のオス猫でした。休み時間にやってきて生徒たちのお弁当を盗み食いしていたのです。
その教室の名にちなんでRoom8と名付けられた猫は、学期中は校舎内で過ごし、夏休みの間は姿を消して、授業が再開するとまた戻ってきました。こうしたパターンが1960年代半ばまで、16年間も続いたのです。
当時このニュースは全国で取り上げられ、Room8はドキュメンタリー映画や本にも登場しました。
全国的な人気者になる

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Room8は大変な人気者になりました。当時は全国から1万通以上のファンレターが届いたといいます。
1968年8月13日に亡くなったとき、ロサンゼルス・タイムズ紙にはRoom8の死亡記事が「写真付きの3段組み」で大々的に掲載されました。
この猫が亡くなったとき、生徒たちは「永遠の安息の地を与えたい」と考えたのです。さっそく「ロサンゼルス・ペット墓地」に埋葬する計画が立てられました。そこはハンフリー・ボガートなど著名人のペットを埋葬する場所であり、テレビで活躍した有名な動物もこの墓地に埋葬されています。
募金を呼びかけたところ予想を超える反響があり、必要な資金はすぐに集まりました。それはこの墓地で一番大きい墓石を用意するのに十分な額だったのです。
今でも多くの墓参者が

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1972年には、彼に敬意を表して「Room8」という名称の猫の保護施設もオープンしました。
歴史学者のPaul Koudanarisさんはこう述べています。
「Room8は、授業がある間は学校に住み込み、夏の間は姿を消し、生徒が来るときだけ学校に戻ってきました。初めて現れてから16年間、この猫は地域社会に深くかかわり、ロサンゼルスの歴史に大きな足跡を残したのです」
「ロサンゼルス・ペット墓地にはどの動物よりも大きなRoom8だけのための記念碑があります。そして今でも、この猫の墓を訪れる人は後を絶たないのです」
出典:
・Room 8, The Cat That Adopted An Echo Park School, Died 50 Years Ago Today
・Room 8, The Most Famous Cat in Los Angeles