猫の「涙やけ」の原因

涙やけの主な原因は、涙の量が多すぎたり、涙の通り道である鼻涙管が詰まったりすることです。遺伝的に鼻涙管が狭い短頭種の猫は、特に涙やけを起こしやすい傾向があります。
また、食べ物が原因でアレルギー反応が起きたり、添加物の多い食事によって体質が変化し、涙の成分が変わってしまったりすることもあるようです。
その他、目の周りの衛生状態が悪いと、細菌が繁殖して炎症を起こし、涙やけを悪化させることもあります。原因を特定するためには、かかりつけの動物病院に相談するようにしてください。
猫の「涙やけ」のお手入れ方法4選

1.ホットタオルで拭き取る
猫の目の周りの涙やけは、濡らしたタオルをレンジで温めて絞った、ホットタオルを使って優しく拭き取ることができます。
温かい蒸気が涙やけで固まった汚れを柔らかくし、きれいにしやすくなります。ただし、火傷をしないよう、必ず人肌程度の温度に冷ましてから使用してください。
タオルを指に巻きつけ、目頭から目尻に向かって、汚れを押し出すように丁寧に拭き取るのがポイントです。強くこすりすぎると猫の皮膚を傷つけてしまうため、あくまで優しく行いましょう。
2.ペット用のウェットシートやコットンを使う
市販のペット用のウェットシートやコットンは、手軽に涙やけのお手入れができる便利なアイテムです。
特に、涙やけ専用の成分が入ったシートは、汚れを落としながら皮膚を清潔に保つ効果も期待できます。使用する際は、必ず猫用であることを確認し、刺激の少ないものを選びましょう。
人間用のウェットシートには、猫にとって有害な成分が含まれていることがあるため、絶対に代用しないでください。
3.涙やけ専用の洗浄液を使う
涙やけ専用に開発された洗浄液は、固まった汚れを柔らかくし、きれいに拭き取ることができます。コットンに洗浄液を染み込ませ、目の周りの汚れを優しく拭き取りましょう。
洗浄液には、涙の成分を分解する働きや、殺菌作用があるものもあり、涙やけの根本的な原因にアプローチできる製品もあります。
ただし、猫の目に入らないように十分注意し、使用後はしっかりと乾燥させてあげましょう。
4.ブラッシングで毛を整える
目の周りの毛が長い猫の場合、涙が毛に付着して固まり、涙やけが悪化することがあります。そのため、定期的なブラッシングで目の周りの毛を整えるようにしましょう。
涙やけがひどい場合は、カットして短くしてあげるのも有効な手段です。毛をカットする際は、猫が動かないようにしっかり固定し、目や皮膚を傷つけないよう慎重に行ってください。
お手入れの際の注意点

涙やけのお手入れをする際は、猫の目に直接触れないように細心の注意を払いましょう。目や皮膚を傷つけないように、優しく、丁寧に拭き取ることが大切です。
猫が嫌がって暴れる場合は無理に行わず、猫がリラックスしている時を見計らって行うか、動物病院で相談してください。
また、使用するタオルやコットン、器具は常に清潔なものを用意し、雑菌が繁殖しないように注意しましょう。特に、涙やけがひどい場合は、お手入れのたびに新しいものを使うのが望ましいです。
病院での治療が必要なケース

涙やけの原因が病気である場合や、自宅でのお手入れだけでは改善しない場合は、動物病院での治療が必要です。
特に、目の周りが赤く腫れている、化膿している、異臭がする、涙の量が異常に多い、目がしょぼしょぼしているなどの症状が見られる場合は、結膜炎などの病気が隠れている可能性があります。
獣医師は、鼻涙管の洗浄や、場合によっては手術を提案することもあります。早めに専門家に見てもらい、適切な処置を受けるようにしてください。
まとめ

猫の涙やけは、放置すると炎症や病気の原因になることがあります。
日々の定期的で優しいお手入れに加え、食事の見直しや病院での治療も視野に入れ、根本的な改善を目指すことが大切です。
愛猫の目の健康を守るために、飼い主としてできることを実践しましょうね。