覚えておきたい、猫の『応急処置』5選 ケガや事故のケース別に解説

覚えておきたい、猫の『応急処置』5選 ケガや事故のケース別に解説

猫は俊敏で身軽なイメージがありますが、意外と日常の中でケガや事故に遭ってしまうこともあります。「愛猫がケガをしてしまった…」そんな時、すぐに動物病院へ行くのがベストですが、状況によっては“応急処置”をしてからでないと悪化させてしまうケースも。この記事では、飼い主さんが知っておきたい猫の『応急処置』を、ケガや事故のケース別にわかりやすく解説します。いざという時に焦らず対応できるよう、ぜひ今から備えておきましょう。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

覚えておきたい、猫の応急処置5選

包帯を巻かれた猫

猫のケガや事故は突然起こるもの。いざという時に“応急処置”ができるかどうかで、その後の回復や命に関わるケースもあります。ここでは、飼い主が知っておくべき5つの応急処置を、ケース別にわかりやすく解説します。

1.出血している場合

まずは傷口を清潔なガーゼやタオルで軽く押さえ、止血をします。出血量が多い場合は、圧迫を強めにして止血を続けましょう。消毒液は“猫用”または動物病院で指示されたものを使用します。

【ポイント】

  • 深い傷や止血できない場合はすぐ受診可能な病院へ

2.骨折や脱臼が疑われる場合

歩けない・足をかばう・異常な角度に曲がっている場合は骨折・脱臼の可能性があります。無理に動かさず、タオルで体を包んで安静にさせます。患部を固定するのは獣医師に任せましょう。

【ポイント】

  • 暴れて悪化しないよう、静かに落ち着かせる

3.異物を飲み込んでしまった場合

小さなオモチャやひも、ビニールなど、誤飲は猫に多い事故です。口から見える位置にある場合は、慎重に取り出すことも可能ですが、無理に引っ張ると危険な場合もあります。

【ポイント】

  • 奥に詰まっている場合は絶対に無理に取らない
  • すぐに動物病院へ連絡し指示を仰ぐ

4.火傷(やけど)を負った場合

熱湯やストーブ、ホットカーペットでの低温やけどなど、猫にとって身近な火傷事故。患部を冷たい水で10分程度冷やし、濡れタオルで覆って病院へ。

【ポイント】

  • 氷水は使わず流水か冷水タオルで対応
  • 水ぶくれは潰さない、薬も自己判断で塗らない

5.中毒(誤食・薬品接触)の場合

ユリ科の植物や人間用の薬品、洗剤など、中毒の原因は日常に潜んでいます。食べてしまったものが明確なら、動物病院に伝えるために“現物”や“パッケージ”を持参します。

【ポイント】

  • 無理に吐かせるのはNG(誤嚥の危険)
  • すぐに病院へ電話し指示を受ける(催吐処置が必要な場合も)

猫の応急処置に備えて“今すぐできる準備”

救急箱

いざという時に焦らず対応するためには、日頃からの“備え”が欠かせません。特別な道具や知識がなくても、簡単にできる準備があります。飼い主さんが用意しておくべき応急処置セットや、知っておきたいポイントをまとめました。

猫用応急処置セットを用意しよう

  • 清潔なガーゼ、包帯
  • 猫用消毒液(刺激の少ないものがベストです)
  • ピンセット(異物除去用)
  • 使い捨て手袋
  • 体温計(猫用)
  • 緊急時の連絡先リスト(かかりつけ病院、夜間救急)

応急処置マニュアルを確認しておく

「出血時はどうすればいい?」「誤飲したら?」といった基本の対応を簡単にまとめたマニュアルを、冷蔵庫やキャットタワーの近くなど、すぐ目につく場所に貼っておくと安心です。

緊急時に落ち着ける“キャリーの準備”

ケガや体調不良時にキャリーに入れるのが難しいこともあります。普段からキャリーを“隠れ家”として慣れさせておくことで、緊急時もスムーズに対応できます。

まとめ

応急処置後、安心して眠る猫

猫はちょっとした油断でケガをしたり、事故に遭ってしまうことがあります。そんな時、飼い主が正しい応急処置をすることで、愛猫の命を守ることができます。

出血、骨折、異物誤飲、火傷、中毒――ケースごとに応急処置のポイントは異なりますが、「慌てず」「無理をせず」「すぐに病院へ」の3原則は共通です。そして、日頃からの備えと冷静な判断力が、いざという時に大きな安心につながります。

愛猫を守るために、今日からできることを少しずつ始めてみましょう。

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