猫の『体調不良』を見極めるポイントは?猫たちが出す“しんどい”サイン6選

猫の『体調不良』を見極めるポイントは?猫たちが出す“しんどい”サイン6選

猫は本能的に具合が悪いのを隠す動物のため、しんどいサインを見つけるのはとても難しいです。しかし、日常に隠れている、体調不良と思っていなかった小さな変化が、実はしんどいサインだったということもあります。この記事では、猫が体調不良の時に見せるサインを6つご紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.呼吸が速い

口を開けて呼吸する猫

猫の呼吸がいつもよりも速い場合、それは猫が「痛み」を我慢しているサインかもしれません。

健康な猫の安静時の呼吸数は1分間で15~20回くらいです。活動しているときは、興奮などの状況の変化により、活動時の正確な呼吸数を確認することは難しいです。もしもそれよりも呼吸が速い場合には、隠れた病気や怪我で体のどこかに痛みがあるかもしれません。

いつもよりも呼吸が速かったり、呼吸が荒かったりする場合には、念のため動物病院で検査を受けると安心です。その際に、自宅での呼吸の様子を動画で撮影しましょう。

猫は動物病院に来ると、緊張から健康であっても呼吸が速くなるため、どの程度の呼吸の異常なのか分かりにくくなります。自宅での呼吸の様子が見えると、獣医師も呼吸の異常を判断しやすくなりますので、もし余裕がある場合には撮影して獣医師に見せると良いです。

2.狭い場所に隠れる

隠れる猫

猫は本能的に具合が悪いのを隠す動物です。そのため、猫がいつも入らない狭い場所にいる場合には、具合が悪いサインかもしれません。特に狭い場所にいる時に、呼んでも出てこなかったり、ご飯やトイレにも出てこなかったりする場合には要注意です。

このような具合の悪い時には猫も警戒心が高まっており、無理に狭い場所から出そうとすると嫌がり、飼い主さんが怪我を負う場合もあります。

猫の様子に注意しつつ、いつものお気に入りのおやつなどでも反応がなければ、動物病院を受診しておくと安心です。

3.毛艶が悪くなる

体を拭かれる猫

猫は体力が落ちてきた時や、体に不調がある時に毛艶が悪くなることがあります。これは、体調が悪いことにより、自身でグルーミングができなくなることが原因です。

猫の毛艶が悪くなってきたと思った時には、念のため動物病院を受診して、血液検査などの健康診断を受けると安心です。

猫が自分でグルーミングができなくなっている場合には、いつもよりも念入りにブラッシングをしてあげたり、拭き取りシートで体をキレイにしてあげたりしましょう。

4.目がいつもと違う

瞬膜が出た猫

人も具合が悪いと顔色に出るように、猫もわずかですが、顔の様子で具合が悪いのを確かめることができます。特に目は、具合が悪い時に変化が出やすい場所です。

具体的には、具合が悪いと瞬膜という膜のようなものが、目を覆うように出てくることがあります。この瞬膜は第三眼瞼と呼ばれ、通常はまぶたの下に隠れているか、目頭側に少し見える程度ですが、具合が悪いと目の3分の1ほどまで出てきてしまうこともあります。

この場合には、目の病気、あるいは体調不良のサインですので、動物病院を受診することが大切です。

またそれ以外でも、目がいつもより虚ろで開きが悪かったり、逆にいつもより瞳孔が開きっぱなしで鋭い目つきだったりする場合にも、なんらかの体調不良が隠れている可能性があります。

猫の顔色の変化はとても少ないものですが、だからこそ毎日顔を見ている飼い主さんの「何かいつもと表情が違う」という感覚が大事になります。

5.鳴き方の変化

鳴く猫

猫は具合が悪いといつもと鳴く頻度が変わることがあります。具体的には、いつもご飯の前になるとよく鳴く猫が、全く鳴かなくなったり、あるいはいつもは鳴かない猫が急に夜鳴きを始めたりすることがあります。

また、鳴く声のトーンや長さに変化が出ることもあります。いつもは高い声で鳴く猫が急に低い声で鳴いたり、いつもよりも長い遠吠えのような声で鳴いたりすることもあります。

これらの場合には、どこかが痛かったり、不調だったりするのを、猫が訴えている可能性があります。

鳴き声の変化には発情期など、その他の理由も考えられますが、原因が特定できない場合には、しんどいと訴えているサインかもしれません。

6.いつものルーティーンをしなくなる

元気のない猫

猫の行動には、その子それぞれのルーティーンが存在します。例えば、トイレに行ったら砂を掘る、トイレの後は爪を研ぐ、朝起きてすぐにご飯を食べる、ベッドに座ったら毛づくろいをするなど、その子によっていくつかルーティーンが存在するかと思います。

しかし、人も具合が悪かったり、体に違和感を感じていると行動が億劫になるのと同じように、猫もなんらかの理由でしんどい時には、最低限の行動しかしなくなります。

いつもトイレの砂をちゃんとかける子がトイレ後に砂をかけない、いつも爪とぎをしているのに今日は全くしないなど、行動の変化として体調不良のサインがあらわれているかもしれません。

「なんだかいつもより動きがしんどそう」と思った場合には、その他の症状がないか、気をつけて様子を見るようにしましょう。

まとめ

撫でられる猫

猫は体調が悪いのを隠す動物のため、はっきりとした症状が出た時には、病気が進行していたということが少なくありません。

特に大きな症状がなくても「何かいつもと違う」という、毎日猫を見ている飼い主さんだからこそ気がつく小さな変化が、しんどいことに気がつくサインとして重要です。

我慢強い猫が見せた精一杯の「しんどい」というサインを見過ごさないためにも、日々の猫の様子をしっかりと観察しておくことが大切です。

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