猫は暑さに強い?弱い?

猫はもともと砂漠のような乾燥地帯で暮らしていたため、暑さには比較的強いとされています。
しかし、日本の夏は高温多湿で、猫にとっても過酷な環境。その上、人間と比べると体温調整機能が限られており、体から熱を逃がすのが苦手です。
近年は、35度以上の「猛暑日」を連日記録することもあり、対策は必須です。子猫やシニア猫、長毛種や鼻の短い短頭種は特に体温調整が苦手で熱中症に陥りやすいため、注意しましょう。
保冷剤を使っても大丈夫?守るべきポイント3つ

結論からいうと、暑さ対策として保冷剤を使用すること自体は可能です。ただし、注意しなければならない点があります。その代表的な3例を見ていきましょう。
ポイント1.直接触れさせない
保冷剤をそのまま猫の体に当てると、皮膚が冷えすぎてしまい、低温やけどや凍傷の原因になってしまいます。
お腹や足の裏などは皮膚が薄いので、要注意。必ずタオルや布でくるんで、冷たさを調整した上で使用するようにしましょう。
ポイント2.誤飲・誤食を防ぐ
保冷剤の中には、エチレングリコールなどの有害な成分を使用しているものもあります。誤って舐めたり飲み込んだりすると、中毒を起こし、命に関わることも。
使用時は、猫が噛んだり引っかいたりして、中身が出ないように目を離さないでください。万が一、嘔吐やけいれんなどの症状が出たら、すぐに動物病院を受診しましょう。
ポイント3.エアコンなどと併用を
保冷剤だけで室内全体の温度を下げることは難しいため、その時の状況に合わせて適切にエアコンなども使用しましょう。
扇風機に冷却を期待する場合、液体を気化させながら熱を除去する必要があり、猫は汗をかかないため難しい傾向があります。もし扇風機で体温を下げたい場合、体に濡らしたタオルをかけるなどの工夫が必要です。
猫にとって快適な室温は21度〜28度前後、湿度は50%〜60%程度といわれています。エアコンなどで温度・湿度管理をしつつ、保冷剤は「一時的に体を冷やすもの」として用いると良いでしょう。
不安があれば代わりのグッズの使用を

ご紹介した通り、保冷剤の中には食べてしまうと有害な成分が含まれているものもあります。誤食しても害が少ない「ペット用保冷剤」もありますが、袋を食べてしまうと腸閉塞などの恐れがあります。
「うちの子はやんちゃだから保冷剤で遊んでしまいそう」「食いしん坊だから口に入れてしまうかも」といった不安があれば、使用を控えましょう。
代用品としては、ペットボトルに水を入れて凍らせたものや、濡らしたタオルを冷やしたものなどがあります。また、ひんやりするシートやベッドなどのグッズも広く市販されていますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
まとめ

保冷剤は、正しく使えば猫の暑さ対策に役立つ便利なアイテムです。ただし、冷やしすぎや誤飲などのリスクもあるため、使用する際には十分な注意が必要です。
猫の暑さ対策としては、冷やすことのほか、快適な環境を作ってあげることも大切。保冷グッズは、エアコンや濡れタオルと扇風機、除湿器などと上手に組み合わせて使ってみてくださいね。
「猫は暑さに強いから…」と油断せず、しっかりと対策をして、人も猫も健康で楽しい夏が過ごせますように。