1.ポロッと見つかる「乳歯」

子猫と暮らしていると、ごくまれに小さな白い物体を見つけることがある「乳歯」。猫も人と同じように、成長にともなって乳歯が永久歯に生え変わります。
生後3〜6か月頃に乳歯が自然に抜け落ちるのですが、たいていは飲み込んでしまうので発見されにくいのが特徴です。だからこそ、見つけたときはちょっとした「奇跡」。記念にケースに入れて取っておく方もいるほどです。
ただし、1歳を過ぎても乳歯が残っているようなら、歯並びやかみ合わせに影響することがあるため、動物病院で診てもらいましょう。麻酔をかけて抜いてもらう必要がある場合があります。
2.意外とよく見かける「爪の殻」

カーペットやソファのそばに、薄くてカーブした透明なものが落ちていたら、それは猫の「爪の殻」かもしれません。
猫の爪は、タマネギの皮のような層になっていて、古い部分が自然にはがれ落ちる仕組みで、爪とぎの後によく見かけることがあります。
爪の形そのままに落ちているため、「爪が割れた?」と心配する方もいますが、これは爪を整えるための自然なサイクルで、猫の健康状態を示しています。
爪とぎ不足や運動不足で殻がうまく取れないこともあるため、定期的な爪チェックとお手入れで確認してあげたいですね。
3.ベッドやラグに落ちている「ヒゲ」

猫のひげも、実は定期的に自然と抜けます。ヒゲは触毛(しょくもう)と呼ばれるもので、目の前の距離感や風の流れを感じるための大切なセンサーです。
寿命を迎えたヒゲは根元からポロッと抜けて床やベッドの上に落ちます。見つけるとなんだかうれしくなるのは、「愛猫が元気に生きている証」だからかもしれません。
ちなみに、猫のヒゲは縁起物とされることもあり、お守りとして財布に入れておく人もいます。もし見つけたら、お手入れをして、そっと大切に保管してみるのもいいですね。
4.毛のかたまり

床に小さな毛のかたまりがあったら、猫が毛づくろい中に取った「毛玉」の可能性があります。
猫は舌の構造上、自分の毛を飲み込みやすいのですが、場合によっては取り除いた毛玉が落ちていることもあります。
換毛期や長毛種は特に毛玉ができやすいため、ブラッシングで予防することは大切です。しかし愛猫の個性を象徴するフワフワな毛を見つけたら、おもわず思い出として取っておきたくなる飼い主さんも多いでしょう。
まとめ

部屋に落ちているものが、ただの何でもないものではなく愛猫の「サイン」だと気づけると、日々の暮らしがもっと豊かになります。
乳歯は成長の記録、爪の殻やヒゲは健康の証、毛玉は体の自然な調整機能など…。こうした「落とし物」は、猫が健やかに暮らしているからこそ起こるものです。
何気ない日常の中に、猫の小さな変化やメッセージが隠れています。見つけたら「今日も元気だね」と、小さな気づきを大切にしましょう。
成長して起こる健康の証に気づけると、愛猫との暮らしはもっと愛おしく、あたたかなものになるでしょう。