必死に暴れる猫を安全に保定するために役立つのが洗濯ネット

猫にもさまざまな性格がありますが、警戒心が強くて臆病な猫は多いです。臆病な猫は、まず逃げ出そうとします。逃げ出せずに追い詰められた猫は、唸り声やシャーッという声で威嚇したり、爪を出した前足で引っ掻いたりなど、攻撃的な行動に切り替わります。
猫たちは身を守るために必死なため、相手が飼い主さんだろうと攻撃の手を緩めず、撃退するまで抵抗します。このような猫と飼い主さんの攻防は、通院や診察時、嫌いなケアの時など、実は日常的にあることです。
猫の嫌いなことを成功させたいなら、飼い主さんが怖がってはいけません。飼い主さんの不安が伝わり、猫の不安を煽るだけです。また飼い主さんが諦めてしまったら、「暴れれば嫌なことは終わる」と猫が覚えてしまい、最悪の展開となるでしょう。
こうした事態を避けるためには、飼い主さんが猫の様子に動じることなく、落ち着いてしっかりと猫を保定できるようになりましょう。暴れる猫の保定には、ある程度の力とコツが必要です。
そこで活躍するのが洗濯ネットです。愛猫と飼い主さんにケガをせずに猫の安全な保定を助けてくれます。
猫グッズに洗濯ネットがあると良い理由

1.パニックを防げる
猫は、体がピッタリと収まる狭い場所に入り込むと安心します。また、猫は全身が柔らかいものに触れていると安心できるようです。洗濯ネットの中は体がすっぽりと包み込まれて安全な場所に隠れている感覚になれるため、猫がパニックになるのを防ぐ効果が期待できます。
2.猫の安全を守れる
洗濯ネットに入れられた猫は、行動範囲も手足の動きも制限されます。これは猫にとってストレスですが、嫌なことをされたり何をされるか分からず不安になっている猫が飛び出して事故に遭ったり、迷子になったりすることを防げます。
3.飼い主に気持ちの余裕ができる
愛猫が洗濯ネットの中に入っていると、飼い主さんの気持ちに余裕が生まれることも大きなメリットです。愛猫の攻撃が防げるという安心感が、愛猫にどう対処すれば良いかを考える時間と気持ちの余裕を作ってくれます。
洗濯ネットが役立つシーン

1.外出時・避難時の脱走防止
動物病院への通院や災害の避難時など、どうしても愛猫を連れて外に出なければならない時は、洗濯ネットの中に入れてファスナーを閉じ、その状態でキャリーバッグに入れましょう。猫が暴れてバッグを壊したり、猫をバッグから出そうとした時に抜け出したりすることを防げます。
2.猫の診察
猫を洗濯ネットに入れておけば、診察室で逃げ回って捕まえられなくなることも防げます。またネットの網目から注射を打ってもらうこともできます。大抵の診察は、ネットの中でスムーズに済ませることができるでしょう。
3.猫の爪切り
爪切りを嫌い、大暴れする猫は多いです。洗濯ネットの中なら落ち着いていられる猫の場合、ネットに入っただけでおとなしく爪を切らせてくれるかもしれません。しかし、足先を触っただけで抵抗する猫もいるでしょう。
その場合は、飼い主さんの体でさらに愛猫の体を覆うような姿勢になり、猫の足を1本ずつファスナーから出して関節の部分をしっかりと保定しながら、爪を切っていきましょう。網目から爪を出せるなら、足を出さずにそのまま爪を切っても大丈夫です。
また、一度に全ての爪を切らず、1回に切る本数を減らして、数日に分けて全ての爪を切るようにすると、猫への負荷を減らせます。
4. 暴れて嫌がる猫のシャンプー
長毛種やヘアレスキャットなどの特殊な猫を除くと、猫にシャンプーは必要ありません。しかし、何らかの理由でシャンプーが必要になることがあります。その場合も、洗濯ネットに入れ、顔をファスナーから出してファスナーを固定し、ネットの上からシャンプーをすることで、安全に行えるでしょう。
なお嫌がる猫への歯磨きも、同じように洗濯ネットを活用できます。
洗濯ネットの選び方
猫用の洗濯ネットを選ぶ際には、以下のポイントを押さえておくと安心です。
- ファスナーの口が十分に広いこと
- 猫の体がすっぽり入り、かつ少し余裕のある大きさであること
- 猫の目隠しになりつつ猫が外の様子を観察できる程度に粗い網目のものを選ぶこと
洗濯ネットは、猫にとってできるだけストレスが少なく、安全に使えるものを選ぶことが大切です。ファスナーの開閉がスムーズかどうか、素材が柔らかく猫の肌に優しいかどうかも、購入時にチェックしておくとよいでしょう。
猫を洗濯ネットに入れる方法
頭の方からやさしく洗濯ネットのファスナー部分を被せていけば、抵抗せずに中に入る猫が多いです。
ただし、一度洗濯ネットに悪いイメージを持ってしまうと入りたがらなくなります。普段から自由に洗濯ネットで遊ばせたり、入ったらおやつをあげるなどで良いイメージを持たせるようにしましょう。
まとめ

猫の必死な抵抗を目の前にすると「もう無理」と心が折れてしまいそうになります。そこをこらえ、愛猫の安全と健康のために、なんとか落ち着いて嫌がることをしてもらえるように工夫してみましょう。
洗濯ネットに入れると落ち着ける猫、大きなタオルで全身を包むと安心する猫、飼い主さんの素手だけの方が安心できる猫など、猫によっても反応はさまざまです。
だからこそ、日頃から愛猫の様子をよく観察し、その子に合った方法を見つけてあげることが一番の近道です。飼い主さんのちょっとした気づきや工夫が、猫にとっては大きな安心につながります。