愛猫がにゃーにゃー『鳴きながら寄ってくる』のはなぜ?5つのキモチと、満点飼い主の応え方

愛猫がにゃーにゃー『鳴きながら寄ってくる』のはなぜ?5つのキモチと、満点飼い主の応え方

猫が「にゃーにゃー」と鳴きながら飼い主さんにすり寄ってくる姿は、猫の飼い主にとっては何とも愛おしい光景ですよね。しかし、その鳴き声には一体どのような気持ちが込められているのでしょうか?また、どのような答え方が理想なのでしょうか?

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.「お腹すいたよ!」:空腹のアピール

鳴きながら近づいてくるハチワレ猫

猫が鳴きながら寄ってくる理由のひとつが、空腹アピールです。たとえばごはんの時間になると、「にゃーにゃー」と鳴きながら飼い主の足元にまとわりついたり、ごはんをくれる場所まで誘導しようとします。

なかにはキッチンに向かって先回りしたり、食器のある場所をじっと見つめたりと、全身で「ごはんをちょうだい!」と訴える子もいます。

猫はルーティンを大切にする動物なので、ごはんの時間が決まっている場合は、その時間が近づくと体が自然と反応するのでしょう。このような場合はまず、ごはんの時間が近いかどうかを確認し、もしそうであればごはんを与えてあげましょう。

ただし要求されるがままに与え続けてしまうと、肥満の原因になったり、かえって「鳴けばもらえる」と学習させてしまう可能性もありますので、“わがまま”には注意が必要です。

また、ごはんの催促ではなくても、おやつをねだっている場合もあるので、与えすぎには気をつけましょう。

2.「構ってほしいな!」:甘えたい気持ち

足にすり寄る猫

猫が鳴きながら寄ってくる理由として、飼い主に甘えたい、構ってほしいという気持ちもよく見られます。

たとえば飼い主がくつろいでいる時や、何か作業をしている時に、足元にすり寄ってきたり、膝の上に飛び乗ろうとしたりしながら「にゃーにゃー」と鳴くのは、「こっちを見て」「撫でて~」というアピール。

猫は単独行動を好む動物ですが、ペットとして飼われている猫は、飼い主に対して強い愛情を抱き、スキンシップを求めることも少なくありません。

とくに子猫の頃から人間と密接な関係を築いてきた猫ほど、甘えん坊になる傾向があります。

こういった場合は、猫が求めるスキンシップに応じてあげることが大切です。頭やあごの下、背中など、猫が喜ぶ場所を優しく撫でてあげたり、声かけをしてあげると、猫は満足して飼い主への愛情を一層深めるでしょう。

3.「遊んでほしい!」:遊びの誘い

おもちゃをくわえている猫

猫が「にゃーにゃー」と鳴きながら寄ってくるのは、遊びに誘っているからかもしれません。

とくに若い猫や活発な猫に多く見られる行動で、おもちゃをくわえて持ってくる、おもちゃがある場所まで誘導しようとする、あるいは尻尾をピンと立ててソワソワしながら鳴くといった行動がセットであらわれることもしばしば。

猫はもともと狩猟動物なので、その本能を満たすために遊びは非常に重要なもの。ましてや室内で飼われている猫の場合、自分で獲物を捕らえる機会がないため、遊びを通してその欲求を満たす必要があります。

つまり運動不足やストレス解消のためにも、適度な遊びは欠かせないのです。そのため猫が遊びたがっているサインを見せた時は、積極的に付き合ってあげましょう。

猫じゃらしやレーザーポインター、ボールなど、猫が喜ぶおもちゃを使って遊んであげると、猫は非常に喜びます。

遊びを通して狩猟本能を満たすことで、ストレスが軽減され、心身の健康維持にも役立つはずです。

4.「何か困ってる!」:要求・不満の訴え

トイレに入って不機嫌そうに鳴いている猫

猫が鳴きながら寄ってくる場合、何らかの要求や不満を訴えている可能性も考えられます。それはごはんや遊びの催促、甘えたい気持ちとは少し異なり、猫が置かれている状況に対する不満や、助けを求めているサインとしてあらわれることも。

たとえばトイレが汚れている、水が空になっている、高いところに登って降りられなくなった、あるいは何か体調に異変があるなど、さまざまな状況が考えられます。

とくに普段あまり鳴かないタイプなのに頻繁に鳴きながら寄ってくる場合は、なにかしらのSOSサインである可能性も高いでしょう。

このような場合は、まずは猫の周囲の環境を確認し、何か不満の原因がないかを探ってみましょう。トイレが汚れていないか、新鮮な水があるか、隠れる場所があるかなど、猫が快適に過ごせる環境が整っているかを確認します。

また猫の体に触れてみて、痛がる場所がないか、熱がないかなど、健康状態をチェックするのも忘れずに。もし異常が見られる場合や、原因が分からないのに鳴き続ける場合は、早めに獣医さんに相談してくださいね。

5.「おかえり!」:挨拶・歓迎の気持ち

顔を見て鳴く猫

猫が鳴きながら寄ってくるのは、飼い主への挨拶や歓迎の気持ちをあらわしていることもあります。たとえば飼い主が外出先から帰宅した際、玄関まで迎えに来て「にゃーにゃー」と鳴きながら足元にすり寄ってくる猫は少なくないでしょう。

喜びや安心感が込められた、穏やかで優しいトーンで、なかにはゴロゴロと喉を鳴らしながら、しっぽをピンと立てて近づいてくる子もいます。

飼い主が不在の間寂しさを感じていると、飼い主の帰宅で安心感や喜びを感じ、それを鳴き声で表現しているんですね。

このような場合は、愛猫の気持ちに応えてあげるように、優しく撫でてあげたり、名前を呼んで話しかけてあげたりしましょう。もしすぐに構ってあげられない状況でも、一言「ただいま」と声をかけてあげるだけでも、猫は安心感を覚えるはずです。

猫が示す純粋な歓迎の気持ちを大切にし、猫との結びつきを確認しましょう!

まとめ

飼い主の腕にスリスリする猫

愛猫が「にゃーにゃー」と鳴きながら寄ってくる行動は、単なる甘えだけでなく、今回紹介したように、さまざまなメッセージが込められています。

これらの鳴き声や行動の背景にある猫の気持ちを理解することは、愛猫との絆を深め、より充実した共生生活を送る上でとても重要です。

なぜ鳴いているのか読み取れない場合、かかりつけの先生に相談してみることも選択肢の一つです。どんな時に鳴くのか、状況などをメモにまとめておくと条件が見えてくるかもしれません。

また、鳴いている様子を動画に撮影して見せるというのも状況が説明しやすくなるためおすすめです。

愛猫はかけがえのない家族の一員。その小さな声に込められたメッセージを大切に受け取り、愛情豊かな関係を育んでいきましょう。

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