愛猫は充分に体を動かせている?猫に必要な『運動量の目安』を3つのライフステージ別に解説

愛猫は充分に体を動かせている?猫に必要な『運動量の目安』を3つのライフステージ別に解説

猫が心身ともに健康でいるためには、運動は不可欠です。しかし、単純にやればよいというものではありません。運動のしすぎは体に負担をかけてしまう可能性があります。そこで今回は、ライフステージ別の適切な運動量の目安について解説します。あわせておすすめの遊びも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.生後6ヵ月ごろまで

ネズミのおもちゃを見つめる子猫

生後6ヵ月ごろまでの子猫は、遊びを通して身体能力や社会性を身につける大切な時期です。この頃の子猫は持てあますほどのエネルギーを持っており、積極的に体を動かしたがります。

1日の運動時間の目安は20分以上、1回5〜10分程度の遊びを1日数回(3〜5回が目安)に分けて行うのが理想です。

兄弟がいる場合は、追いかけっこをしたり、じゃれ合ったりして遊ぶことも多いでしょう。また、この時期は気になるものを見つけては飛びついたり、じゃれたりなど、盛んにひとり遊びもします。

狩猟本能を刺激するおもちゃやひとり遊びができる以下のようなおもちゃがあると良いでしょう。

  • 釣りざお型の猫じゃらし
  • コロコロ転がるボールやぬいぐるみ
  • トンネルなどの隠れられるもの

ただし、子猫は遊びに夢中になるあまり、疲れすぎてしまうことがあります。遊びすぎにならないよう上手にコントロールしてあげてください。

また、若齢の子猫は遊びすぎて低血糖を引き起こすこともあります。遊ぶ時間は長すぎないようにしましょう。

2.生後7ヵ月〜7歳ごろまで

知育玩具で遊ぶ猫

生後7ヵ月から7歳ごろまでの子猫〜成猫期は、体力が安定し、比較的活発に活動する時期です。生後6ヵ月ごろまでの子猫よりは落ち着きますが、健康維持とストレス解消のためにも運動は不可欠です。

この時期の猫に必要な運動量は、猫の性格や個体差にもよりますが、目安としては1回10〜15分程度の遊びを1日1〜2回行います。

とくに、夕方から夜にかけては、猫の活動が活発になる時間帯なので、この時間に遊びを取り入れると効果的です。

成猫期の猫には、上下運動ができる遊びや好奇心を刺激し、思考力を使う遊びがおすすめです。

  • おやつが隠せる知育玩具
  • 追いかけて遊べるレーザーポインターなど
  • キャットタワーなどの上下運動ができるおもちゃ

ただし、レーザーポインターで遊ばせる際は、捕まえられないストレスを与えないよう、最後は光から特定の獲物(おもちゃなど)に誘導し、しっかり捕まえさせてあげましょう。

一緒に遊ぶことで信頼関係も築くことができます。一緒に遊んで運動させてあげてくださいね。

3.7歳以降のシニア

猫じゃらしを捕まえる猫

7歳以降のシニア期に入ると、猫も人間と同じように体力や運動能力が徐々に低下していきます。無理な運動は関節や心臓に負担をかける可能性があるため、激しい遊びは避けるようにしましょう。

1回の遊び時間は5〜10分程度で、猫の様子を見ながら1日数回に分けて行うのが理想です。

激しい動きよりも、ゆっくりとした動きで、体をほぐすような遊びや頭を使う遊びを取り入れるのがおすすめです。たとえば以下のような遊びが良いでしょう。

  • ゆっくりとした動きで遊べる猫じゃらし
  • 頭を使って遊べる知育玩具

猫じゃらしは、激しい動きよりも、無理のない速さで遊べるものや、座ったままでも遊べるタイプが理想です。頭を使って遊べる知育玩具は脳へのほどよい刺激になり、認知症の予防にも効果的です。積極的に取り入れていきましょう。

まとめ

ぬいぐるみを抱きしめて眠る猫

愛猫の健康を維持し、豊かな生活を送るためには、ライフステージに合わせた適切な運動が重要となります。

子猫期には遊びを通して基礎的な身体能力を養い、成猫期には健康維持とストレス解消のために継続的な運動を、そしてシニア期には体に負担をかけない穏やかな運動を心がけましょう。

運動は、単に体を動かすだけでなく、猫の心を満たし、飼い主さんとの絆を深める大切なコミュニケーションの時間でもあります。愛猫の性格や好みに合わせて遊び方を選び、無理なく楽しく運動が続けられるように工夫してあげてくださいね。

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