愛猫が『飼い主さんのそばから離れない』ときの理由4選 あんまりベッタリなら対処したほうがいい?

愛猫が『飼い主さんのそばから離れない』ときの理由4選 あんまりベッタリなら対処したほうがいい?

愛猫が常にそばにいてくれるのはうれしいですよね。しかし、その行動には分離不安や病気などの隠れた問題が潜んでいる場合もあります。今回は、猫が飼い主さんのそばにいたがる4つの理由とベッタリ猫の対処法についてを紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.分離不安

ソファーを破壊した猫

猫にも「分離不安」があることをご存じでしょうか。これは、飼い主さんと離れることに強い不安を感じてしまう状態で、常にそばにいようとしたり、姿が見えなくなると鳴き続けたりするのが特徴です。

2020年におこなわれたある研究では、猫の13%に分離不安に関する問題の兆候が見られたと言いますから、けっして他人事ではありません。また、遊べるおもちゃがない、単頭飼いであることが、問題行動に関連していることも明らかになったと言います。

思い当たることがある場合は、生活習慣や環境を見直す必要があるかもしれませんね。

分離不安は心身ともに大きな負担をかけてしまうこともあるため注意が必要です。

2.体調が悪い

元気そうに座っている猫

猫は具合が悪いことを隠そうとする動物です。その一方で、体調の悪さを不安に感じて、逆に飼い主にべったりくっついて「助けを求める」場合もあります。いつもよりよく鳴くな、べったりだと感じたら要注意です。

そばから離れない以外にも、静かで動きが少ない、食欲が落ちている、トイレの様子が変わったなど、いつもと違う様子が見られるときは体調不良のサインかもしれません。

行動の変化を見逃さず、場合によっては動物病院に相談しましょう。

3.要求がある

話しかけてくる猫

猫がしつこくそばを離れないとき、なにかを「要求」している場合もあります。たとえば「ごはんが足りない」「トイレが汚れている」「遊びたい」など、猫なりに用件を伝えようとしているのです。とくに、おしゃべりなタイプの猫は、鳴いて訴えてくることもよくあります。

こうした要求が満たされないと、ずっとついてくる、じっと見つめるといった行動をする猫もいます。

そんなときは、なにかお願いごとや困っていることがないか、猫の生活空間を確認してみましょう。

4.寒い

本を読む女性の隣でくつろぐ猫

猫は暖かいものが好きな動物です。冬場や朝晩の気温が低い時間帯には、温かい場所を求めて人間にくっついてくることがあります。人の体温や毛布、布団の中などは猫にとってとても心地よい場所なのです。

とくに、短毛種やシニア猫は寒さに弱いため、飼い主さんに密着して温もりを得ようとする傾向が強くなるようです。猫用のホットカーペットを使用するなど温かい寝床を用意してあげましょう。

もし、夏なのに近づいてくるというときは、冷房が効きすぎて寒いのかもしれません。快適に思う温度には個体差がありますが、室温25度前後を目安に調整しましょう。

呼吸数が上がる、口を開けて呼吸するなどは少し室温が高いのかもしれません。愛猫の変化にも気をつけましょう。

過度なベッタリは危険!早めの対処を

パソコンのモニターを見つめる猫と女性

猫がいつも飼い主さんのそばを離れないのはかわいらしい行動に見えますが、それが「過度」になると問題です。

分離不安や生活のストレスなどが背景にある場合、長期的に心身に負担がかかることもあります。依存傾向を強めないように、普段から少し距離を取る時間を作ったり、一人遊びができる環境を整えたりすることが大切です。

甘えたい気持ちを受け止めつつも、猫自身が安心して自立できるようサポートしていく必要があります。また、ストレスの場合は、原因を特定し排除するなど適切に対処しましょう。

対処法が見つからない、改善しない、体調にも影響が出ているというときは、早めに獣医師に相談してくださいね。

まとめ

頭をくっつけている猫と女性

愛猫がいつも自分を頼ってくれて、そばにいる。飼い主としては、うれしい限りですが、過剰な場合はちょっと考えものかもしれません。

猫が飼い主さんのそばを離れない理由には、分離不安、体調不良、要求、寒さなど、さまざまな要因があります。もし行動が極端だったり、いつもと違う様子が続くようであれば、生活環境や健康状態の見直しを検討しましょう。

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