1.ごはんをもらえること

猫にとって食べることは、生きることと言われるように、動物が空腹に対して不快感やストレスを覚えるのは、本能によるものです。
毎日きちんと食事が出てくることは、猫から見ると生きていく上での安心感につながります。ごはんの時間を楽しみにしている猫も多いでしょう。
一見すると、出されたフードを当たり前のように食べているようにも見えますが、「おなかが空いたら、この人に言えば必ず食べ物がもらえる」という信頼があるから、落ち着いていられるのです。
ときには好みではないフードに不満そうな顔を見せることもありますが、それも信頼している相手だからこそ。猫なりに、受け止めてくれているのかもしれません。
2.守ってくれること

もし「怖い」「苦手」と感じている環境で、誰かがそばにいて安心させてくれたら、私たち人間もその人に自然と感謝の気持ちが湧いてきますよね。たとえば、新しい場所で緊張しているときに、優しく声をかけてもらえたことで落ち着いた、という経験があるかもしれません。
猫にも、地震や雷などの自然災害や定期的な通院など、苦手に感じるものや、怖いと感じるものがあるでしょう。そんなとき、飼い主が気にかけて優しくしてくれることで、嫌な気持ちが和らぐことがあります。
そして、そばにいてくれるその存在が、猫にとっては心強く、安心をもたらすものになっているのかもしれません。
3.安全で快適な住空間

猫は、自分の暮らす場所がどのくらい安全で、どのくらい心地よいかを重要視します。これは外で暮らす猫も、飼われている猫も変わりません。猫にとっての「安全な住空間」には、外敵から身を守れること、トイレや食事の環境が整っていること、そして安心して過ごせる心の安定が含まれています。
飼い主さんが整えてくれた室内は、安心で安全な理想的な環境です。さらに、「頼りにできる存在」がそばにいてくれるという安心感も得られます。
猫は、自分が暮らしている空間が何によって提供されているかまでは理解していないかもしれません。しかし、安心して眠る姿や、喉を鳴らしたり、すり寄ってきたりするしぐさには、飼い主さんに対する信頼や愛情がにじんでいます。
愛猫が「ご恩」を感じているかわかる?

実際に猫が言葉で感謝を伝えることはありませんが、ふだんの生活の中で飼い主に対して信頼や安心を感じているときには、その気持ちが行動として表れることがあります。
たとえば、そばに寄ってくる、喉を鳴らす、抱っこされたままで眠るといったしぐさは、猫なりの気持ちの積み重ねからできているもので、これが飼い主に向けられた「ご恩」や「感謝」のひとつのかたちとも言えます。
猫が感じる「ご恩」は、人間のように意識的に恩を覚えているのではなく、「安心できる」「大丈夫」という感覚の中にあるのです。
まとめ

私たち飼い主は、ついつい愛猫にしてあげていることばかりに目が向きがちです。しかし、本当は毎日の何気ない行動の積み重ねが、猫にとって安心や信頼につながっていることもあります。
猫がいつも見せてくれるかわいらしい行動や表情のなかには、飼い主への思いがしっかりと表れています。特別なことをしなくても、毎日の小さなお世話こそが、猫にとっては大きな安心につながっているのです。
もし、愛猫がお世話のあとに、満足そうな様子を見せるなら、もしかすると、それは猫なりの「うれしいよ」「安心したよ」というメッセージなのかもしれません。