1.飼い主の猫に対する意識

現在の飼い主さんたちは猫を『家族の一員』『我が子同然』と考えるのが当たり前のように思っていることでしょう。ですが昔は猫に対してそこまで思い入れのなかった飼い主さんもいらっしゃったようです。
昔は猫は作物や書物をネズミから守るために飼う家庭が多く、現代の方から見ると「え?」と思うかも知れませんが『ネズミ退治をしてくれさえすればいい』という思考も一般的だったのだそうです。
そのため基本的に猫は放し飼いされ、見かけなくなればまた新しい猫を連れてくる…ということが行われていたようです。
現在では家族の一員として大切に扱われている猫ですが、昔と現在ではそもそも猫に対する飼い主さんの意識自体が大幅に違っていたのでしょう。
2.予防接種や避妊手術

現在は大切な家族の一員である猫のために避妊手術や予防接種を積極的に行っていますよね。ですが昔はどうやら違っていたようです。
前述の通り飼い主さんの猫に対する意識が現在とは全く違っていたため、予防接種や健康診断をする飼い主さんはほとんどいなかったのだそうです。
そもそも『猫に避妊手術を受けさせる』という発想がないため、放し飼いにされていた猫たちはどんどん繁殖してしまいました。
現在でもたまに『猫に手術なんて…』という言葉を聞くことはあるかも知れませんが、避妊手術をするのとしないのとでは成猫になってからかかってしまう病気のリスクが違います。
もし猫が病気やケガをしたら人と同等の医療を受けさせてあげたいと考える飼い主さんが多いのは、現代の飼い主さんたちが家族の一員である愛猫に対して『元気に長生きして欲しい』と願うようになったからなのかも知れませんね。
3.食べ物の与え方

昔の猫たちは飼い主さんの食事の残りをそのまま与えられたりしていたのだそうです。『猫まんま』というご飯に味噌汁をかけた食べ物があったのですが、その名の通り猫にそれを与えていた飼い主さんも多かったのだそう。
もちろん現在は『猫にネギ類は危険』という認識が広まっているため、残り汁だとしてもネギ類が入っていた味噌汁を与えるというのを聞くと悲鳴を上げそうになってしまう方もいらっしゃるでしょう。
注意したとしても「ネギ自体は食べてしまって、汁だけしかないから大丈夫」と返されることもあったようです。
さらに『満腹になっては獲物を捕まえてくれないから』という理由で自宅では猫の食べ物を用意しないという家庭もあったのだそうです。
また現在ではスーパーやホームセンターなどあらゆる場所でキャットフードを購入できますが、昔はキャットフードの販売自体あまりされていなかったようです。
現在はキャットフードにも多種多様なものがあり、年代別フードやアレルギー対策されたもの、療法食なども豊富に存在します。
これだけでも猫に対する価値観が今と昔で大幅に違っているのが分かりますね。
まとめ

現代の飼い主さんから見ると、昔の猫たちは『扱いがひどい』と感じるかも知れませんが、実際にそれが普通であると受け入れられていた時代もありました。
現在は猫は家族の一員であり、人と同等の愛情を注がれて暮らしています。昔と比べて猫の寿命が圧倒的に延びたのは、こういった背景があるからなのかもしれませんね。