ホスピスで愛される猫の歯科治療のため、24時間もたたずに「目標の寄付額」が集まる ニュージーランド

ホスピスで愛される猫の歯科治療のため、24時間もたたずに「目標の寄付額」が集まる ニュージーランド

ホスピスで患者や家族の心を癒してきた猫。歯科治療が必要になり、高額な医療費をまかなうためにウェブ上で寄付を呼びかけることになりました。すると、これまで猫に感謝していた人々から、たちまち十分な寄付金が寄せられたのです。

21時間後に目標額を達成

パソコンで寄付サイトを見る女性

画像はイメージです

ニュージーランド南島のホスピスで人気者になっている猫のため、ウェブ上で募金活動が行われたところ、わずか21時間後に目標を上回る735NZドル(約6万4千円)が集まりました。

ホスピス・サウスカンタベリー(Hospice South Canterbury)は、猫のHeathが歯科治療を受けられるよう、600NZドルを目標に募金ページを開設していました。

さらにすばらしいことに、人々がこれほど猫を気遣っていることを知った地元のAorangi Vets動物病院が、無償で歯の治療をしてくれることになったのです。

同ホスピスのイベント・マーケティング・マネージャーKim Rogersさんは、多くの人々がHeathを大切に思ってくれていることに感動しています。

「Heathはとてもすばらしい猫で、みんなから愛されています。Heathの姿が見えないと、がっかりして1日中落ち込んでしまうほどです。患者さんやご家族にとって大切な存在なのです。お気に入りの患者さんをずっとベッドのそばで見守るほど、心やさしい猫です」

「愛する家族が終末治療のためホスピスに入ったときに、Heathは家族や入院患者の心に寄り添ってくれます。そんな姿を実際に目撃し、猫がくれた愛情に感謝している方々が、今回寄付してくれたのです」とKimさん。

獣医の歯科治療が必要に

獣医で歯科診察を受ける猫

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彼女によると、Heathの歯の状態が悪化していることがわかったのは、関節炎の検診を受けに、動物病院を訪れたことがきっかけだったとか。

処方された薬を飲んでくれず、やがてまともに歩けないほど関節炎が悪化したため、再度獣医の診察を受けることになり、その際に月に1度の関節炎治療の注射を打つことと共に、歯の治療を進められました。

「獣医師に歯のクリーニングと治療も必要だと指摘され、費用は600NZドルかかるということでした。毎月100NZドルは猫のために確保していますが、600NZドルはこれを上回る高額です。ホスピスの予算の大部分は患者さんとご家族のために使われ、ほかに予備費はありません」と話すKimさん。

「ウェブ上で寄付のページを作ってみたらどうかと提案したスタッフがいたので、さっそくやってみることにしました。お昼の12時に開設したところ、最初の寄付が12時5分に届きました。その後どんどん寄せられて、目標額に達したのはあっという間でした」

人々の心を癒す特別な猫

高齢者の膝の上でくつろぐ猫

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Heathは2022年、4歳のときにSPCA(動物虐待防止協会)から引き取られた猫でした。以前このホスピスで飼っていた猫のPatsyが亡くなり、その後継者としてやってきたのです。

ファンディング・マネージャーのAnn Brownさんは「Heathは特別な猫で、すぐに多くのファンを集めました」といいます。

「Heath宛ての感謝のカードは、これまでたくさん寄せられました。大きなスクラップブックに全部保管しています。最近いただいたカードには『Heathのことは忘れません。私の大事な人がホスピスに行ったその日からそばにいて、毎日彼女を笑顔にしてくれました。亡くなったときも隣にいてくれました。だからこの猫には感謝の印に、抱っことおやつをたっぷり与えました。本当に特別な猫です』と書かれています」

「亡くなった患者のための出棺式にも参列することがあります。それはそれは、本当に感動的です。きっとこの猫は、何が起きているかをしっかり理解しているのでしょう」というAnnさん。

Heathの歯科治療はまもなく始まります。募金活動で集まったお金は、今後の獣医療費に充てられる予定です。

出典:Beloved hospice cat’s care funded

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