1.怒っている

猫がにらんでくるときの理由として、最も考えられるのは怒っているからです。例えば無理に抱っこしたり、しつこく撫でてしまったあとなど、猫が嫌がる行動を取った直後は特に注意しましょう。耳を後ろに倒していたり、尻尾をバタバタと大きく振っていたら、にらんでいる視線には「これ以上はやめて」というメッセージが込められています。
このようなときは、猫にかまいすぎたことを反省し、距離を置いてあげることが大切です。猫は本来、自分のペースを大切にする動物です。そのため、嫌なことをされたときはにらむなどの意思表示をします。怒っているサインを無視してしまうと、猫との信頼関係にもヒビが入ってしまうかもしれないので気を付けましょう。
2.怖がっている

前述のように、猫が睨んでいるときの理由として「怒り」を挙げましたが、それ以外の理由でも猫がにらむことがあります。例えば、怖がっているときです。にらんでいるように見えて、実は「怖い」という気持ちが隠れています。
初めて家に来たお客さんや掃除機の音、知らない匂いなどに反応してじっと相手を見つめるとき、相手が敵かどうか、これから何をされるのかを見極めようとしてにらんでしまうこともあります。
猫は不安や恐怖を感じると、耳を伏せて体を低くし、動かずにじっとします。そして、まばたきをせずにこちらを凝視してくることがありますが、決して敵意があるとは限らず、「どうしよう」と思いながら状況を観察していることがほとんどです。そんなときは無理に近づいたりせず、猫が安心できるスペースに戻れるよう配慮してあげると、恐怖が和らぐはずです。
3.驚いている

また、驚いているケースも挙げられます。猫は予測していないことが起こると、反射的にその対象をじっと見つめてしまうことがあります。たとえば、家具が倒れた音や、急に現れた人、落とした物の動きなどに驚いたとき、猫は固まったまま、動かずにその場を見つめるのです。
その視線は「何が起こったのか?」「これは危ないものなのか?」といった緊張と戸惑いの入り混じったものといえます。驚いた直後の猫は警戒心が高まっているため、むやみに手を出したりすると、思わぬ攻撃をしてしまうこともあります。まずは、猫が落ち着ける環境を整えてあげることを優先しましょう。
4.眠くなっている

猫がにらんでいるように見えるとき、実は「眠気」を感じている場合もあります。飼い主さんのそばでまどろみながらぼーっとこちらを見ていると、目線が合ったままになり、「なんだかにらまれてる?」と感じてしまうことがあります。
ただ眠いだけなので怒っているとか不機嫌というわけではありません。むしろ信頼の気持ちを込めて見つめていることが多いでしょう。目を細めながらまばたきしたり、リラックスした体勢でじっとしていたりする場合は、完全に安心しきっているサイン。そんなときは無理に構わず、そっと見守ってあげましょう。
まとめ

猫がこちらをにらんでいるように見えると、不安になってしまう飼い主さんも多いかもしれません。しかし、その視線には「怒り」だけでなく、様々な感情が隠れています。重要なのは、猫のしぐさや体の動き、耳や尻尾の状態、そして周囲の状況をよく観察して、気持ちを読み取ることです。
猫は言葉を話せない分、目線や態度で多くを伝えようとします。にらんでいるように見えるその視線も、実は何かを伝えたいというサインかもしれません。今回の記事を参考に、にらんでいるときの猫の気持ちを観察してみてください。