タバコだけじゃない!猫の前では『電子タバコ』も厳禁な理由3選 起こり得るトラブルも

タバコだけじゃない!猫の前では『電子タバコ』も厳禁な理由3選 起こり得るトラブルも

猫を飼うときに注意したいのが「電子タバコ」。つい猫がいる室内で吸ってしまっていませんか?実は、電子タバコも猫にとって危険が潜んでいます。今回は、電子タバコが猫に与える悪影響を解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.有害物質が含まれているから

猫と電子タバコ

「電子タバコは紙巻きタバコと違って副流煙が出ないから猫に対して安全」と思っている人も多いかもしれません。

しかし、実際には「エアロゾル」と呼ばれる微細な粒子を含んだ蒸気が発生しており、そこには有害物質が含まれることも。例えば、グリコール類の酸化によってホルムアルデヒドなどの有害物質が生成されることがあります。

猫は人間よりも体が小さいため、わずかな化学物質でも大きな影響を受けてしまいます。部屋の中で電子タバコを使用すれば、換気をしていても有害な成分が家具や壁に付着し、それを猫が舐めたり吸い込んだりする危険性も考えられます。

また、電子タバコに含まれるプロピレングリコールは、猫にとって危険な物質です。プロピレングリコールは一部の人間用製品では「安全」とされている成分ですが、摂取する量などによっては猫にとっては赤血球を破壊して死に至らしめるリスクがあります。

液体カートリッジに接触するだけでも、危険性はゼロではありません。飼い主が「ちょっとだけなら大丈夫」と思っているその油断が、愛猫の命を脅かすことになりかねないのです。

2.デバイスの部品を誤飲するリスク

電子タバコ

電子タバコのデバイスやカートリッジは、猫にとって「おもちゃ」に見えることがあります。小さな部品などは、遊んでいるうちに誤って飲み込んでしまう危険も。とくにリキッドのカートリッジは香料が使われているものも多く、猫が興味を持ってしまう可能性も少なくありません。

誤飲してしまった場合、物理的に消化器官を傷つけるだけでなく、中に含まれているリキッド成分が体内で吸収され、中毒症状を引き起こすケースも考えられます。好奇心旺盛な猫ほどリスクは高く、飼い主が目を離したすきに思わぬ事故が起こることもあるため、電子タバコの管理には十分な注意が必要です。

3.リモネン中毒の恐れ

猫と柑橘

電子タバコの中には、柑橘系の香りを再現するために「リモネン」という成分が使われていることがあります。リモネンは、猫にとって非常に危険な物質のひとつです。人間には爽やかに感じられる香りも、猫にとっては有害な毒性を持っています。

猫の体はリモネンをうまく分解・排出できないため、微量でも体に蓄積されると、中毒症状を引き起こすことがあります。例えば食欲不振や震え、ふらつきなどの症状です。室内にリモネン入りの蒸気が残ってしまえば、それだけで猫には危険といえます。

まとめ

電子タバコ

電子タバコは一見、安全そうに思えるかもしれませんが、猫にとっては様々なリスクをはらんでいます。油断すれば取り返しのつかない事態を招きかねません。「タバコをやめたから安心」ではなく、「電子タバコだからこそ気をつける」必要があります。

愛猫の健康を守るためにも、室内での使用を避けることはもちろん、電子タバコそのものを猫の生活空間から遠ざけることが、飼い主としての思いやりと言えるでしょう。

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