愛猫には与えたくない有害キャットフード4選

「有害」といっても毒物質がそのまま含まれているわけではありません。基本的に製品は、きちんと飼料として市販できる基準を満たし、検査を通っています。
しかし、その中にも長い目で見て疑問点が残るものや、たとえ安全であっても「猫に適したフード」ではないものもあるのです。
1.人工添加物が多く含まれている
キャットフードには、品質保持のためにBHA、BHT、エトキシキンといった人工保存料が使用されているものがあります。
これらの成分は、発がん性の可能性や過剰摂取による健康リスクが指摘されています。特にエトキシキンは、魚粉や動物性脂肪などの原料保存のために、供給元で添加されてしまうため、フードメーカーの製品ラベルには表示されないことがあります。
AAFCO(米国飼料検査官協会)は、BHA、BHT、エトキシキンの総量を150ppm以下に留めるよう規定しています。日本の製品もこれに準拠していますが、「長期間にわたる摂取」でリスクが蓄積する可能性があると指摘されています。
最近ではこれらの使用を控えるメーカーも増えていますが、人工着色料を使っているメーカーはまだまだ残っています。長期的にこのような添加物の摂取は、アレルギーや解毒機能の低下などの健康リスクが懸念されています。
2.穀類が多すぎる
猫は本来、肉を主食とする完全な肉食動物であり、動物性たんぱく質を中心とした食事が体に合っています。しかし、国内で市販されているキャットフードの中には、コーンや小麦などの穀類を主原料とする製品が少なくありません。
パッケージに書かれているタンパク質量は十分でも、植物性たんぱく質が多く含まれている可能性があります。
植物性のタンパク質は、猫にとって消化吸収の効率が低く、長期的に見ると必要な栄養を十分に補えない恐れがあります。また、過剰な炭水化物は、猫にとって肥満や血糖値の急上昇などのリスクにもつながります。
原材料表記の上位に複数の穀類が記載されている場合は要注意です。
3.原産国や製造元の情報が不明瞭
信頼できるメーカーの製品には、パッケージに原産国や製造元が必ず明記されています。しかし、記載のないキャットフードが、魅力的なパッケージや口コミ、安価を理由に販売されていることもあります。
日本では法律で原産国・製造元の情報の記載が義務付けられているため、正規品ではこれらの情報が不明なことはほとんどありません。しかし、国ごとに衛生基準や品質管理が異なり、原材料の安全性は判断しにくくなります。
特にインターネットを通じて手に入る海外製品には、個人輸入や日本語表示がない製品もあり、安全性に欠ける製品も存在します。情報が不透明な製品は、購入を控える方がよいでしょう。
4.品質や透明性が確認しづらいモノが主原料
「豚副産物」「チキンミール」「フィッシュミール」などの「〇〇ミール」や動物性副産物を使ったキャットフードは、あまり良くないと聞いたことがある人もいるでしょう。原材料表示の最初に記載されるのが主原料です。
動物性副産物とは、人間向けの可食部を除いた内臓・骨・血液などの部位を指します。これらを加熱乾燥させて粉状に加工した原料が、いわゆる「〇〇ミール」と呼ばれるものです。
問題となるのは、肉類の部位がこのようなひとまとめの表記になってしまうことで、消費者側は具体的にどの部位がどの程度含まれているかわからないことです。過去には一部の製品に、病死した動物や腐敗した原料を使っていたという例もありました。
副産物に含まれる化学的な残留物や劣化した油脂は、アレルギーや消化不良、肝臓・腎臓への負担につながる可能性があるため、食品としては好ましいものではないのです。
日本のキャットフード基準は守られている?

一般消費者である猫の飼い主としては、販売側がどれだけ安全なキャットフードを流通させているかはとても大事なポイントです。
日本では、2009年に制定されたペットフード安全法によって、有害物質の残留基準や製造管理が定められており、一定の安全性は確保されています。ただし、栄養基準については義務ではなく、それを規制する法律もありません。
現在では、ペットフード公正取引協議会が、AAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準を採用していることから、「総合栄養食」と表示されているキャットフードはこの基準に基づいて作られています。
ただし、すべてのメーカーやブランドが同じ水準とは限りません。特に量販店で見かけるコスト重視の製品は、価格面では魅力的ですが、原材料や栄養面では理想的といえないこともあります。
まとめ

どのような食事を愛猫に与えるかは飼い主に責任があります。しかし、専門家でない私たちにとって、フードの品質をどう見極めればよいのかは難しい問題です。
まず確認したいチェックポイントは、パッケージの内容です。原材料名の最初の方には主原料となる食材が記載されています。穀類か肉類かだけでも、そのフードの特徴がわかります。また、人工的な添加物の有無や原産国なども参考になるでしょう。
そしてメインフードで与える場合には、「総合栄養食」の文字に加えて、「ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果、総合栄養食の基準を満たすことが証明されています」や、AAFCO基準準拠の記載があるかも目安になります。
時折、企業の公式サイトをチェックして、情報公開などの透明性も調べられたら完璧です。
インターネット上には、マーケティングの性質上、非常に高評価の口コミが並ぶ商品もありますが、口コミだけに頼らず、自分の目で確かめることが安心につながります。まずは、現在与えているフードのパッケージを確認してみましょう。