あえてやっている『猫がいやがること』5選

"猫は手がかからない"というイメージは単なる迷信。苦になるかならないかの違いだけで、実際には多くの手間がかかっています。
時には抵抗されるとわかっていても、怪我を防ぐため・病気を防ぐため・早期発見から早期治療に結びつけるためにあえてやらなければならないことすらあるのです。
ここでは、飼い主さんが日々奮闘している『猫がいやがること』にまつわるお世話を5つ紹介いたします。
全ては愛猫のため。愛しているからこそ心を鬼にして頑張っています。
1.爪切り

猫は束縛を嫌ううえに、音に対して敏感な動物です。まさに爪切りは"拷問のような"お世話に違いありません。それでもあえてやっているのは、次のようなトラブルの予防に役立つからです。
怪我の予防
猫の爪の先端はとても鋭利で、何にでも引っかかってしまいます。日課である爪とぎでさえも、伸びていれば爪が食い込んでしまい、抜けなくなる恐れがあります。
また、全力疾走をする過程で絨毯に爪が刺されば大惨事。大怪我につながります。若いうちは、これらの怪我から守るために必要不可欠なのです。
巻き爪の予防
15歳以上のハイシニアになると1日のほとんどを寝て過ごし、歩行の頻度や爪とぎの頻度が極端に減少します。
ここで待ち受けているリスクは巻き爪です。伸びた状態が続くと爪がどんどん巻いてしまい、最終的には肉球にめり込んでしまいます。
関節炎などの影響で爪とぎができなくなってしまったら、これまで以上に爪のケアを入念に行わなければなりません。
愛猫に痛い思いをさせないため、そして苦痛を与えないためと、おやつで気を引きながら絶対に諦めないのです。
2.通院・健康診断

他の猫の鳴き声や機械音が鳴り響き、消毒のにおいが充満している動物病院。正直病院嫌いな飼い主さんであれば、ご自身が身構えてしまいそうな環境を猫が好むはずがありません。
それでも足を運ぶ理由は愛猫の健康を守るため。これに尽きるでしょう。
子猫であればワクチン接種や不妊手術を目的に、シニアになったら健康診断を目的にお世話になることが多いもの。いざという時のために、獣医さんとの信頼関係を築いておくことが重要なのです。
3.ダイエット

人間でも苦痛を感じるダイエット。そんなことを猫に強いるなんてと思うかもしれませんが、獣医さんから指摘されるほど適正体重を上回った場合は仕方ありません。
肥満は尿路系の病気や糖尿病、心疾患に関節炎まで引き寄せる万病の元。だから、獣医さんの勧めでダイエットフードに切り替えたり、知育玩具を用いて運動を促したりと、あの手この手で減量を試みるのです。
4.ブラッシング

長毛種には毛球症のリスクや、毛玉ができやすいというトラブルがつきものです。
よって長毛種の飼い主さんは、爪切りと同様に、いやがることを前提にブラッシングにもエネルギーを注いでいます。
5.投薬や皮下点滴などの治療

病気になれば必要に応じて投薬したり、ご自宅で皮下点滴を施すこともあります。もちろん喜ぶはずがありません。
しかしながら、本当に体調が悪いときはあっさり応じてくれるところを見ると"確かなメリット"を感じているのかもしれません。
いかにも苦そうな薬を飲ませることや、針を刺すという行為に心が折れそうになることがありますが、きちんとこなさなければ病状が悪化してしまうこともあります。
愛猫が更なる苦痛を味わなくて済むようにと飼い主さんは必死なのです。
まとめ

猫は癒しの宝庫ですが、実際に育てている飼い主さんは単に癒されているだけではありません。愛猫の命を守るという責務を全うしています。
その1例が、今回紹介した内容です。爪切りや長毛種であればこまめなブラッシングなどの日常のお世話、必要に応じて動物病院へ連れていくこと、さらに投薬治療など。いかにも猫がいやがることにも立ち向かっています。
また最近では、猫の歯磨き習慣も重要視されています。これもまた苦戦を強いられるケアの1つです。
最後に、これから猫をお迎えする方にお伝えしたいことがあります。それは"慣れ"が大切だということです。
一見大変そうなお世話も、猫が幼い頃から少しずつ慣れさせてあげれば日課となります。もちろん飼い主さんの腕も上達するはずです。だから臆することなくやってみてください。