地域猫のための寄付金をネットで募集

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シンガポールで、2024年12月に始まったクラウドファンディングによる「地域猫のための寄付」が、6ヵ月で3万6000SGドル(約400万円)以上も集まりました。自腹を切って猫たちにご飯を与えるなど、地道な活動を続けている人々を支援するために行われた取り組みです。
実施した「Give.Asia」によると、集まった資金はブーン・レイとセンカン、サーキット・ロードの各地区と南部地域で地域猫の餌やり活動をしている人々に配分されますが、今後は国内全域にも支援を広げていくことをめざしています。
地域猫への餌やりは、18人のボランティアによってブーン・レイ地区で始まりました。この地区にいる約250匹の猫たちが対象です。なかには1人で早朝と夜間の1日2回、40匹の猫にご飯を与えているボランティアもいます。
この地区のボランティアのリーダーを務めるPhoong Kai Wenさんによると、猫1匹にご飯を与えるために平均で月に60SGドル(約6700円)が必要だということです。これにはドライフードやウェットフードのほか、おやつやサプリメントなども含まれます。彼女たちは、地区住民からも善意の寄付を受けて活動を続けています。
自分の食費より、猫のご飯を優先に

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クラウドファンディングで集まったお金で、Give.Asiaは猫1匹について約300SGドル(3万3600円)相当のキャットフードを提供することができたと発表しています。ブーン・レイ地区の場合、資金はペットショップ「Pet HQ」に送られ、ボランティアは毎月そこからフードの提供を受けることになります。
ブーン・レイ地区の熱心なボランティアShereen Adwaneyさん(66歳)は「300SGドルですべてのフード代をまかなえるわけではないのですが、世話をするための経費の大部分に充てることができます」と喜んでいます。
病気の猫を獣医に連れて行ったり、猫を保護する必要があったりすることもあるからです。昨今は獣医の治療費が高騰しており、ほとんどの場合はボランティアが自腹で支払ってきたのです。
「これまで自分たちのお金を使ってきたので、寄付は助かります。猫好きのわたしたちは『自分より先に、猫にまず食べさせる』という考え方です。わたし自身、すでに積み立て貯金を猫のご飯のために取り崩してしまいました」と語るShereenさんです。
Phoongさんも「お金と時間が有り余っているようなボランティアは、そう多くはいないのです」といいます。
今後も募金活動を継続

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今回のクラウド・ファンディングを主宰したYu Ming Pongさんは「 ほとんどの保護団体は個別に活動を続けており、ボランティアのみなさんは貯金を切り崩し、疲弊しています。長年猫にご飯をあげてきた方々からのSOSをきっかけに、この取り組みを始めることにしました」と説明しています。
今後も募金を継続しながら、資金援助を続けていく予定です。
Shereenさんらは「地域猫を見かけて、ときどきご飯を与える善意の人々がいます。でもこうした人は猫の食べ残しを片付けないため、ネズミやゴキブリを引き寄せてしまいます。それに特定の猫には食事制限や健康問題があるため、無制限にご飯を与えると猫に害になる恐れもあるので、注意していただきたいですね」と呼びかけています。
出典:Over $36k raised in ground-up effort to help community cat feeders in Singapore