知らないと意外とビックリする『猫の逆くしゃみ』起こる原因や気をつけるべきこと

知らないと意外とビックリする『猫の逆くしゃみ』起こる原因や気をつけるべきこと

猫の「逆くしゃみ」を知っていますか?通常のくしゃみとは違い、一見すると発作のような状態になるため、はじめて見るとビックリしてしまいます。しかし、まだ見たことがない人も、この記事で逆くしゃみについて知っておけば大丈夫です。逆くしゃみの対処法も紹介しています。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

逆くしゃみとは?

くしゃみをするスコ

猫の「逆くしゃみ」とは、音を立てて呼吸を吸い込む動作の際に起こる変化のことです。「スコッスコッ」、「ヒュンヒュン」という風を切るような音や、「ガーガー」というややガラガラした音がするのが特徴です。

通常のくしゃみが「ハクション!」と息を勢いよく吐き出すのに対し、逆くしゃみでは頭を低くして左右に振りながら、鼻から勢いよく空気を吸うのがわかります。

かなり苦しそうな様子を見せることから、喘息のように見えることがありますが、通常は一時的なもので、数秒から数十秒で収まり、一般的には命に関わるものではありません。

猫が逆くしゃみをする原因

くしゃみをする飼い主と猫

猫の逆くしゃみは、気道や喉への刺激に対する過敏反応で起こると考えられています。具体的には、以下のような要因があげられます。

  • アレルギー反応(ホコリ、花粉、煙など)
  • 異物の吸入
  • 鼻や喉の異常(腫瘍、鼻炎など)
  • 急な動作や興奮(遊びの最中や食後)

最近では、猫にも花粉症のような反応が見られることから、アレルギーが原因で逆くしゃみが起きることがあります。また、腫瘍や炎症などの異常や異物の吸入は、粘膜への直接的な刺激となって反射が起きると考えられます。原因が取り除かれないと、長引くこともあります。

中には、遊びによる興奮で呼吸が荒くなり、鼻や喉が刺激されると逆くしゃみが起きることがありますが、こちらの場合、多くは一時的な反射なのであまり心配はいりません。

猫が逆くしゃみをしているときの対処法

鼻を拭かれる猫

逆くしゃみは長くても1分程度で収まるので、無理に抱き上げたりせず、落ち着いて見守ることが大切です。

ただ、それだけでは心配な飼い主さんは、以下の方法で猫を落ち着かせると、症状が和らぐことがあります。

  • 鼻先に軽く息を吹きかける
  • 背中をなでる
  • 喉元を胸の方へ向かいなでる

猫の鼻先に軽く息を吹きかけると、逆くしゃみで乱れた呼吸パターンがリセットされることがあります。

しかし、逆くしゃみをしているときは頭を振っていることもあり、喉元をなでたり、鼻に息を吹きかけたりするのは難しいかもしれませんが、呼吸が整えば発作も収まるので、背中をさするだけでも落ち着かせるには十分です。

受診が必要なケース

動物病院を受診

逆くしゃみはほとんどの場合、大きな心配はいりませんが、以下のような症状がある場合は、動物病院で診てもらうことをおすすめします。

  • 頻度が増えてきた
  • 1回の発作が長く続く
  • ヒューヒュー、ゼーゼーという呼吸音
  • 常に苦しそうに口呼吸する
  • 食欲低下などが見られる
  • 鼻水、くしゃみ、鼻血がある

これらの症状のいずれかが見られる場合、逆くしゃみではなく呼吸器系に問題がある可能性が考えられます。

特に逆くしゃみと一緒にくしゃみが出ていても見逃してしまいそうですが、鼻の中に腫瘍ができている場合、逆くしゃみと併発することがあるため注意が必要です。

気になる症状がある場合は、早めに動物病院で相談しましょう。その際、逆くしゃみの様子を動画に撮っておくと、病院で相談する際に獣医師の診断に役立ちます。

まとめ

くしゃみをするメインクーン

今回は猫の逆くしゃみについて解説しました。

猫の逆くしゃみは、突然はじまることが多く、呼吸を荒くしながら音を立てて吸い込む様子が過呼吸のように見えますが、通常は数秒から数十秒程度でもとに戻ります。一過性のものであれば、大きな問題にはなりません。

原因は、アレルギーや鼻の中の異物、急な動きなどが考えられますが、頻繁に起きたり、長時間続いたりする場合は、猫の体調に何らかの問題がある可能性もあります。

愛猫が逆くしゃみをしていても、無理に止める必要はありませんが、背中をさすってあげるなどのケアは可能です。そして、できれば異常がないか収まるまではその場にいて様子を観察しておいてください。動画を録画しておくと病院に相談する際に役立ちます。

猫は体調の変化をうまく伝えられないため、飼い主が見ていて少しでも異常を感じたら、かかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

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