「やり過ぎなお世話」とは?

猫の行動を常に監視し、必要以上に世話を焼いてしまうことは「やり過ぎなお世話」に当てはまるかもしれません。
具体的には、猫が行くところについていって片時も離れない、猫自身で手入れができるにも関わらずトイレ後に毎回お尻を拭く、食事を好きなだけ与えるといった行動などです。
もちろん、介護が必要な猫やサポートが必要な子猫の場合は別ですが、健康な成猫に対しては、過保護になりすぎている可能性があります。
では、そうした行動を続けた場合、猫にどんな悪影響を与えてしまうのでしょうか?
「神経質すぎる飼い主さん」が与える猫への悪影響3選

1.分離不安が起きる
飼い主さんといつも一緒にいるのが当たり前となることで、依存度が大きくなります。
猫だけでお留守番をすることへの苦手意識が強まり、ほんの数時間の外出さえも、不安や戸惑いでいっぱいになってしまうかもしれません。
過剰な鳴き声やトイレ以外の場所での排泄など、さまざまな問題行動の引き金にもなり得ます。
一緒にいられる時間であっても、つきっきりで構うのではなく、お互いが別のことをする静かな時間も確保した方がよいでしょう。
2.トイレを我慢するようになる
飼い主さんに監視されている状態が続くと、猫に大きなストレスがかかり、トイレを自分の思うタイミングで排泄できず躊躇するようになるかもしれません。
人間も同じですが、トイレ中は、猫もリラックスできる環境が必要です。健康な成猫ならば、基本的に排泄の状況は、トイレ掃除のタイミングで確認するのがよいでしょう。
さらに、必要以上にお尻を拭いてしまうのも、猫にとっては負担になります。
猫は自分でグルーミングをする習性があるため、よほどの汚れでないかぎり、自然に任せましょう。
3.わがままになる
「自分の欲求が何でも叶う」ことを理解すると、どんどんわがままな性格に育ってしまいます。
おやつがほしい、遊びたい、一緒にいたいといった欲求から、執拗に鳴き続けるようになったり、攻撃的になったりする可能性が高まります。
ここでいう「攻撃的」とは、飼い主さんに直接噛みつく、引っかくことだけではありません。物を落として飼い主さんの気を引く、壁や家具に八つ当たりするなどの行動も、攻撃的なサインです。
甘やかしすぎず、適切な対応を心がけましょう。
まとめ

猫の自主性を尊重せずに、飼い主さんがお世話をやり過ぎてしまうことは、猫の心身に悪い影響を与えます。適度な距離感を意識し、食事や問題行動を自然とコントロールしましょう。
また、猫自身が適切と感じる飼い主さんとの距離感には個体差があり、あまり距離感を縮めることを望まない個体もいます。愛猫の反応や望む関係性を理解して接し方にも工夫しましょう。
対応に悩んだ際には、獣医師さんなど専門家のアドバイスを求めることをおすすめします。
「毎回お尻を拭いてあげる」「求められるたびにおやつをあげる」など、お世話の仕方を誤解していないかも、この機会に見直してみてはいかがでしょうか?