「手」は「カジュアルな好き」

猫にとって、「舐める」という行為は、相手に好意を伝える表現手段のひとつです。猫たちは、お互いに舐め合う(アログルーミング)ことで、「猫仲」を深め、友好的な関係を維持します。
みなさんが愛猫に手を舐められたら、フレンドリーな気持ちを抱いてくれている証拠です。愛猫家おなじみの赤ちゃん言葉で表現すると、「ちゅき」と言ったところでしょうか。「ペロペロ」されたら、「ちゅきちゅき」という意味になります。
初めて「ペロペロ」されると、猫のザラザラ舌に驚いてしまう人もいるかもしれません。猫の舌がザラザラなのは、約300個の糸状乳頭という突起があるからです。この糸状乳頭は、毛づくろい時のブラッシングになったり、獲物の骨に残った肉をこそげ落としたり、いろいろな役割があります。
「髪の毛」は「リラックス感」

髪の毛や頭皮は、人間のなかでも、その人らしい匂いが香り立つ場所で、匂いのプロ、フェチである猫にとっては、どうしても無視できないスポットです。
大好きな飼い主さんのかぐわしい香り(体臭)は、愛猫には萌えるフレグランスであり、「ペロペロ」することで、心の底からリラックス感に包まれます。
一方で、日曜日の早朝、激しめの「髪の毛ペロペロ」で飼い主さんを起こすのは、安心したいよりも、「いつまで寝てんだよ!」というツッコミです。
ちなみに、猫は飼い主さんを「大きな猫」と認識している、と考えられています。たとえば、美しいロングヘアーの飼い主さんなら、愛猫の目には「超長毛猫」に映っているかもしれません。都合の良いことに、髪の毛が長ければ長いほど、絶好の猫おもちゃになります。
「顔」は「最高の愛情表現」

猫を飼っていると、いろいろと不思議な行動を目の当たりにします。あるとき、突然、愛猫から顔を舐められた飼い主さんは、「いったいなぜ?」と疑問に思ったことがあるかもしれません。
実は、猫の「顔ペロペロ」は、数ある愛情表現のなかでも、最高峰のものと言われています。愛猫の感覚では、おそらく、母猫や兄弟猫との毛づくろいを思い出すような甘いひととき。込められた意味は、もちろん、「だいちゅき!」です。
「顔ペロペロ」の洗礼を受けた飼い主さんは、間違いなく、愛猫から深く愛されています。抜群の信頼感と揺るぎない安心感。しかも、同じネコ科動物として正式認定されるおまけつきです。
まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、愛猫が飼い主さんをペロペロする理由について考察しました。
簡単にまとめると、手足は気軽な好意、髪の毛は安心感、顔まわりは絶大な愛情表現、といった愛猫の気持ちが隠されています。いずれにしても、愛猫が飼い主さんをこよなく愛するからこその行為です。
これからも「ペロペロ」の返礼に、やさしく撫でて、愛猫にたくさん喜んでもらってください。