愛猫の『不安サイン』5選

猫は言葉を話せないぶん、心の変化を行動や表情にのせて伝えてくれます。「なんだかいつもと違う…」そんな違和感こそが、不安のサインかもしれません。
ここでは見逃したくない代表的な5つの“猫の不安サイン”を、行動別にご紹介します。
1.目の動きや耳の向きに“ピリピリ感”がにじむ
猫が不安を感じているとき、目にあらわれるのが瞳孔の拡大です。薄暗くもないのに黒目が大きく開いている場合、緊張や恐れを感じている可能性があります。
また、耳がピクピクと絶えず動いたり、後ろ向きや横に倒れているのも“警戒モード”のサイン。普段はまっすぐ前を向いている耳が落ち着きなく動いていたら、周囲に対して不安を抱えている証拠です。
2.鳴き声がいつもと違うトーンや頻度に
「にゃー」ではなく、「うにゃうにゃ」「うーっ」といった低くこもった声や、高く甲高い声を繰り返して鳴くことはありませんか?
猫は不安を感じると、鳴き声にそのストレスを込めて表現することがあります。特に、夜中に急に鳴き続けたり、普段あまり鳴かない子が頻繁に声を出すようになったら注意が必要です。
3.食事やトイレの様子に変化が出る
「最近、ごはんの食べが悪いな…」「おしっこが減ったかも?」そんな小さな変化にも、猫のストレスが影響しているかもしれません。
環境の変化や来客、家族構成の変化などにより、猫は食欲不振や便秘・下痢などの症状を示すことがあります。トイレの外で粗相をするのも、不満や不安のあらわれとして知られています。
4.グルーミングの仕方が極端になる
猫は本来、とてもきれい好きな動物です。けれど不安が高まると、その毛づくろいが“過剰”になることがあります。特に、同じ場所ばかりを舐め続けて毛が薄くなってきた場合は要注意。
逆にまったくグルーミングをしなくなった場合も、ストレスで無気力になっている可能性があります。どちらも、愛猫からの“異変のサイン”として受け止めましょう。
5.飼い主との距離が突然変わる
「いつもは足元に寄ってくるのに、今日はずっと押し入れの中…」または、「いつもはクールなのに、最近やけに甘えてくる」など、飼い主との距離感が突然変わることもあります。
猫は信頼している相手だからこそ、不安な気持ちを訴えようとすることがあります。甘えたい気持ちも、そっと隠れたい気持ちも、どちらも“心の叫び”なのです。
猫が不安を感じる主な原因とは?

猫が不安を感じるのには、必ず“きっかけ”があります。私たちにとっては些細なことでも、猫にとっては大きなストレスになることも。
ここでは、猫が不安を抱えやすい代表的な原因を3つに分けて解説します。
環境の変化(引っ越し・模様替え・音)
猫は環境の変化にとても敏感な動物です。引っ越しや家具の配置替え、大きな音(工事、雷、掃除機など)などがあると、不安を感じて行動が変わることがあります。
「模様替えをしただけで隠れるようになった」「来客があると鳴き続ける」といった反応も、環境への適応ストレスが原因です。
他の動物との接触や縄張りストレス
猫にとって“テリトリー”は心の安全地帯。そのエリアに他の猫や犬、人間の新しい家族が入ってくると、不安や緊張が生じます。
多頭飼いの場合、相性が悪いと喧嘩が増えるだけでなく、物陰に隠れる、食事を我慢するなどのストレス行動が出やすくなります。
病気や体調不良による内面的ストレス
体の不調も、猫にとっては大きなストレス要因です。たとえば関節痛や胃腸トラブルなど、見た目ではわかりにくい異変があるとき、猫は不安そうな目つきや、鳴き方の変化で訴えようとします。
「元気がない」「寝てばかりいる」「触られるのを嫌がる」といった行動の裏に、病気が隠れていることもあります。
不安サインを見つけたらどうすればいい?

愛猫の不安サインに気づけたとき、飼い主としてできる最初のケアは「安心できる環境づくり」です。静かで落ち着ける空間や、隠れられる場所、いつもの寝床を整えてあげるだけで、猫の心は少しずつ落ち着きを取り戻します。
また、無理に抱っこしたり構いすぎたりせず、猫の気持ちに寄り添いながら、そっと名前を呼んだり、同じ空間にいることで安心感を伝えましょう。普段と違う行動や様子が長く続く場合には、体調不良が隠れていることも。
ストレスと病気は密接に関係しているため、早めに動物病院で診てもらうことが大切です。飼い主の“気づき”が、愛猫を守る最初の一歩になります。
まとめ

猫は言葉を使えないぶん、目や声、しぐさで“心の声”を伝えてくれます。そのサインを見逃さず、そっと寄り添ってあげることが、飼い主にできる何よりの愛情表現。
「なんか変だな」と感じたときこそ、愛猫の小さな変化に目を向けてみてくださいね。