猫が『自律神経失調症』にかかったら…起こり得る5つの症状と対処法 治すことはできる?

猫が『自律神経失調症』にかかったら…起こり得る5つの症状と対処法 治すことはできる?

猫は環境の変化やストレスに敏感な生き物です。自律神経のバランスが乱れると、食欲不振や体調不良など、さまざまな不調があらわれることがあります。これが「自律神経失調症」と呼ばれる状態です。自律神経は、呼吸や心拍、消化などをコントロールし、体の健康を維持する重要な役割を担っています。しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れると、猫の体調や行動に変化が生じます。この記事では、猫の自律神経失調症について、原因や症状、対処法を詳しく解説します。愛猫の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の『自律神経失調症』の原因は?

引っ越し荷物と猫

猫の自律神経失調症は、さまざまな要因によって引き起こされると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。

猫の自律神経失調症で起こり得る5つの症状

ごはんを食べない猫

自律神経のバランスが崩れると、体のさまざまな機能に影響が出ます。猫の場合、次のような症状があらわれることが多いです。

1.食欲不振

自律神経は消化器の働きを調整しているため、バランスが乱れると食欲が落ちることがあります。普段はよく食べる猫が突然食べなくなったり、食べる量が減ったりする場合は要注意です。

2.便秘や下痢

腸の動きも自律神経によってコントロールされているため、不調が起こると便秘や下痢になりやすくなります。排便の回数が減ったり、硬い便をする場合は便秘の可能性があり、反対に頻繁に柔らかい便をする場合は腸の動きが過剰になっているかもしれません。

3.呼吸や心拍の乱れ

自律神経は呼吸や心拍もコントロールしているため、症状が進行すると呼吸が浅くなったり、脈が不規則になったりすることがあります。特に、何もしていないのに息が荒い、ドキドキしている様子が続く場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

対処法と改善策

マッサージを受ける猫

猫の自律神経失調症は、早めに対処することで症状を和らげたり、悪化を防いだりすることができます。しかし基本的には原因不明ですので根治的な治療はできません。猫の生活のQOLをあげるために飼い主さんができることを以下にまとめました。
猫の状態に合わせて取り入れてみましょう。

環境を整える

猫にとって安心できる環境を作ることは、ストレスを軽減し、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。

  • 静かで落ち着ける場所を確保する
  • 環境の変化を最小限に抑える(模様替えや来客の頻度を調整する)
  • 多頭飼育の場合は、猫同士の距離を確保できるよう工夫する

また、猫は「隠れる場所」があると安心しやすいため、キャットハウスや家具の隙間を活用して、落ち着けるスペースを作ってあげるのも効果的です。

食事の見直し

自律神経のバランスが乱れると、消化機能にも影響が出るため、食事の内容を見直すことも大切です。

  • 消化に良いフードを選ぶ(高品質なタンパク質を含むもの)
  • 食事の回数を増やし、一回の量を少なめにする
  • 水分をしっかり摂れるようにする(ウェットフードやぬるま湯を加えるのもおすすめ)

猫によって好みが違うため、食べやすいフードを探しながら、無理のない範囲で工夫してみましょう。

マッサージやブラッシングでリラックス

猫の体を優しくマッサージしたり、ブラッシングをしたりすることで、リラックス効果を高めることができます。

ただし、猫が嫌がる場合は無理をせず、短時間から始めるようにしましょう。

獣医師による診察と治療

異常が見られる場合は、動物病院で診察を受けることが大切です。獣医師の判断によって、必要に応じて以下のような治療が行われることがあります。

  • 消化機能をサポートする薬
  • 必要に応じて点滴や栄養補給

猫の状態によって治療法は異なるため、気になる症状があれば、早めに相談してみましょう。

猫の自律神経失調症は治るのか?

診察を受ける猫

基本的には根治しません。
治療も対処療法になります。
食道がうまく機能しなくなってしまい、誤嚥性肺炎を引き起こして亡くなってしまう可能性も高い病気です。

まとめ

日光浴をする猫

猫の自律神経症は原因不明のため根治することが難しい病気です。
命にかかわる病気でもあります。

猫は体調不良を隠す習性があるため、日頃から様子をよく観察し、小さな変化を見逃さないことが重要です。気になる症状が続く場合は、早めに獣医師に相談し、猫の健康を守っていきましょう。

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