猫は『またたび』が大好きだけど…与える際に気をつけるべき3つのこと

猫は『またたび』が大好きだけど…与える際に気をつけるべき3つのこと

猫がまたたびに恍惚とした表情を見せる姿は、飼い主さんにとって微笑ましい光景ですね。またたびは猫にとっての嗜好品ですが、与えるときはいくつか注意しなければいけない点があるようです。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

またたびとは?猫を虜にする成分

またたびの実と葉

またたびはマタタビ科の植物で、日本や中国、朝鮮半島などに分布しています。このまたたびに含まれる「マタタビラクトン」などの成分が、猫を興奮させたり、恍惚させたりするのです。

さて猫がまたたびに反応する理由ですが、最近の研究で「蚊よけの効果」とわかりました。どうやらまたたびの「ネペタラクトール」という成分に蚊よけ効果があって、猫はそれを体につけようとクネクネしているそうです。

またまたたびへの反応は「反応する遺伝子の有無」によって決まり、全く反応しない猫もいれば、激しく興奮する猫もいて、年齢や性別によっても反応が異なります。

実際にまたたびを感じている時間は、猫も幸せに包まれているとも分かっており、そう思うと、なおさら見ているこっちも幸せになってしまいますね。

なお、またたびには中毒性はないといわれています。適切に与えれば猫の健康を害すことはないので、安心していいでしょう。

猫にまたたびを与えるときの注意点3つ

またたびの木であそぶ黒猫

猫にまたたびを与えるときは、次のポイントに注意しながら与えましょう。

1.与える量と頻度を守る

またたびは害のない嗜好品ではありますが、与えすぎると呼吸困難などを引き起こす可能性があります。そのため1回の使用量は少量にとどめ、頻度も週に1~2回程度にしましょう。パッケージの使用方法もきちんと守ってください。

またまたたびのデビューの際は、ごく少量から始めるようにしましょう。

2.子猫や老猫、病気の猫には与えない

性成熟が済んでいない子猫はまたたびに反応しにくいといわれていますが、念のためまたたびを与えるのは控えましょう。またたびの刺激に耐えられない可能性があります。

また老猫や病気の猫も同様に、またたびの刺激が強すぎてしまうかもしれませんので、個体差はありますが、これらの猫にはまたたびを控えるのがベターでしょう。

3.与え方に工夫をする

またたびを与える際は、猫が誤って大量に摂取しないように注意してください。またたびの葉や枝をそのまま与えるのは誤食の危険が高いので、はじめは扱いやすい粉末タイプがおすすめです。

それを少量おもちゃに付けたり、爪とぎにすりこませたり、工夫して与えるようにしましょう。

猫のまたたびの種類と選び方

乾燥したマタタビの葉と実

またたびには、粉末、実、木など、さまざまな種類があります。それぞれの特徴と選び方を知っておきましょう。

粉末

またたびの粉末は、よく見られる一般的なタイプ。おもちゃに付けたり、ごはんに少量混ぜたりして与えます。くれぐれも与える量に注意しましょう。

またたびの実は、猫が噛んで遊ぶのに適しています。乾燥した状態で、市販で購入できます。

ただし猫が興奮のあまり実を丸ごと飲み込んでしまうと、詰まる危険性があるので注意が必要です。

またたびの枝は猫が噛んで遊ぶだけでなく、歯のケアにも少しばかり役立ちます。ただし、激しく木を噛み砕いてしまう猫は、誤食の心配が高いため与えない方が良いでしょう。

まとめ

またたびの木で遊ぶ猫と飼い主の手

またたびは適切に使用すれば猫の生活を豊かにしてくれるアイテムです。そのため猫にまたたびを与えるときは、ぜひ今回紹介した注意点を参考にしてください。

ただし忘れてはならないのは、またたびは猫にとって単なる嗜好品であり、必需品ではないということです。

与えなくても猫の健康や幸福に問題はなく、あくまで猫との時間をより楽しくするための選択肢の一つです。過度に与えたり、「またたびに反応しない…」と心配する必要はありません!

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