1.かまい過ぎる(ちょっかいを出す)
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猫はマイペースな動物で、気分が乗らないと、完全にスイッチを「オフ」にします。愛猫がいわゆるツン・モードに切り替わっているとき、たとえ飼い主さんがスキンシップやおもちゃ遊びを誘っても、まったく応えてくれません。
そんな状況で、飼い主さんがかまって欲しさにむやみに絡もうとすると、温厚な愛猫の怒りに触れた結果、伸びた爪で一閃されます。人間の気持ちに翻訳すれば、「しつこい!」という意思表示です。
個体差もありますが、「撫でる」「膝に乗せる」「抱っこする」など、スキンシップの主導権を握っているのは、あくまで愛猫です。クリスマスで言えば、飼い主さんは奉仕する側のサンタクロースであり、プレゼントを欲しがる子供ではありません。
関わるときは、まず、愛猫がどんな状態であるか確かめたうえで、スキンシップやおもちゃ遊びを誘ってみてください。その気でなかったらさっさと諦めて、「そのとき」が訪れるまで辛抱強く待ちましょう。
2.興奮時に手を出してしまう
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猫には、ツンとデレ以外にも、ハンターという気分があります。普段はかわいい愛猫も、いったんハンターのスイッチが「オン」になれば、たちまち獰猛な野生動物です。
野生世界における狩りは、猫にとって、命をつなぐための非常に大事な仕事です。獲物を取り逃がしてしまえば、果ては飢えに苦しみかねません。獲物を追うときは、本能的に全神経と能力を集中させます。気分的にはおもちゃで遊ぶときでも同じです。
おもちゃ遊びで興奮中の愛猫に対して、飼い主さんが不用意に手を出してしまうと、攻撃対象としてみなされ、引っかかれてしまいます。愛猫は、目の前の獲物(おもちゃ)を仕留めるのに必死です。まわりのことも、飼い主さんのことも一時的に忘れています。
ハンター・モードに切り替わった愛猫は、取り扱い注意です。何気なく伸ばした手が傷だらけになってしまうので、決して撫でたり、かまったりしないようにしましょう。
3.大げさに動く
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野生時代には、猫は捕食者であると同時に、被捕食者でした。敵にいつ襲われるかわからないため、常時の警戒態勢は初期設定です。特に、動きが予測不能で、身体の大きな相手には強い恐怖心を覚えます。
猫にとっては人間も同じで、たとえ飼い主さんであろうとも、無造作、かつ、大げさに動いてしまうと、愛猫を脅かす不安要素になります。
たとえば、立ったまま、振り下ろすかのように伸びてくる男性の腕は、愛猫の目には、おそらく、得体の知れない物体に見えているはずです。恐怖のあまり、自分の身を守るために、反射的に「引っかく」という手段に打って出ます。
いくら慣れている飼い主さんとは言え、突発的に動くと、愛猫に警戒されてしまいます。人間の身体は、猫よりも数倍以上も大きいことを忘れてはいけません。
愛猫と接するときは、粗野なふるまいや大声はなるべく避けて、愛猫に安心してもらえるように、日頃から注意して行動してみてください。
まとめ
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猫に好かれる人がいる一方で、かわいがりたいのに、なぜか引っかかれてしまう人もいます。今回は、引っかかれがちな人の行動を3つ紹介しました。
何気なくやっている飼い主さんの行動が愛猫にとっては迷惑な場合もあります。かまい過ぎず、派手に動かず、愛猫の様子を十分に見極めたうえで、スキンシップを試してみてください。