猫の『メンタルの不調』がもたらす3つの健康トラブル 精神的に弱った愛猫を襲う病気とは?

猫の『メンタルの不調』がもたらす3つの健康トラブル 精神的に弱った愛猫を襲う病気とは?

猫はストレスに敏感なため、心の負担から体調不良につながることもあります。食欲が落ちたり、毛づくろいが増えたり、トイレの回数が変わったり…。ちょっとした愛猫の変化は、もしかするとストレスのサインかもしれません。ここでは、猫のメンタル不調が続いたときに起こりやすい「健康トラブル」、その対策について詳しく解説します。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の『メンタルの不調』がもたらす健康トラブルとは?

ジッとしている猫

1.食欲不振と消化器トラブル

ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、食欲が減ることがあります。「最近、ごはんを残すことが増えたな」と感じたら、ストレスの原因を探るようにしましょう。もちろん病気の可能性をまずは考えるべきですが、なにか心当たりがあるか考えることも大切です。

とくに「新しい環境に慣れない」「家族構成が変わった」といった変化は、猫のメンタル面に影響することが多いです。

食事を摂らなくなると、胃腸の働きが鈍り、嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。愛猫の食事量や便の状態を日頃からチェックし、様子見はせず異変が続く場合はかかりつけの獣医師に相談してみましょう。

2.皮膚炎や過剰グルーミング

猫はストレスを感じると、過剰に毛づくろいをすることがあります。これは自分を落ち着かせるための行動ですが、度を超すと舐めた箇所の毛が抜けたり、皮膚に炎症が起きたりすることも。

もしもお腹や脚の内側に脱毛が見られたら、ストレスが関係している可能性を考えて環境を見直すことが大切です。安心できる隠れ家を用意したり、触れ合う時間を増やしたりすると、猫の気持ちが落ち着くことがあります。

皮膚のトラブルはアレルギーや病気と見分けがつきにくいこともありますので、猫の体に異常が見られる場合は、動物病院を受診しましょう。

3.膀胱炎などの泌尿器トラブル

ストレスが原因で発症しやすい病気のひとつが「特発性膀胱炎」です。これは原因不明の膀胱炎で、特に神経質な猫がなりやすいと言われています。

症状としては、「トイレの回数が増える」「血尿が出る」「排尿時に痛そうに鳴く」などが挙げられます。猫は痛みを隠しやすい動物なので、こうしたサインを見逃さないことが大切です。トイレの環境を清潔に保ち、水分摂取を促す工夫をすることで予防につながります。

免疫力が低下すると病気のリスクが高まる

横になる猫

猫のメンタル不調がもたらすのは、ストレスによって免疫力が低下することで病気を引き起こしやすくなることです。

たとえば、口内炎や猫風邪などの感染症にもかかると悪化しやすく、とくに高齢猫や持病のある猫は注意しなければなりません。

免疫力を保つためには、バランスの取れた食事や適度な運動、安心できる生活環境が重要です。猫の性格も個体差があるため、愛猫に合わせた環境と日々のストレスを減らしてあげることが、健康を守るポイントとなります。

まとめ

元気のない猫

猫のストレスは体調にも影響を及ぼし、食欲不振や皮膚炎、泌尿器トラブル、免疫力の低下といった問題を引き起こします。

しかし、飼い主が早めに異変に気づき、適切に対処すれば、猫の健康と幸せを守ることができます。大切なのは、日頃から愛猫の様子を観察し、安心できる環境を整えることです。

猫の性格に合わせて環境や接し方に気を配るだけでも、猫はぐっと落ち着き、健やかに過ごせるでしょう。愛猫が快適に暮らせるよう、日々のケアを大切にしていきたいですね。

スポンサーリンク