絵になる猫柄『黒猫』の魅力3選!歴史や性格などの基礎知識から、幸運を呼ぶと言われる理由まで

絵になる猫柄『黒猫』の魅力3選!歴史や性格などの基礎知識から、幸運を呼ぶと言われる理由まで

寡黙にたたずんでいるだけで神秘的なオーラを放つ黒猫は、愛猫家のなかでも人気のある猫種です。今回は、黒猫の魅力を3つの視点に分けて掘り下げていきます。黒猫を飼ってみたい方々は特に必読です。

1.人懐っこく愛情深い性格

抱っこされる黒猫

一見、警戒心が強く、落ち着いて見られがちな黒猫ですが、実は、フレンドリーで甘えん坊な子が多い、と言われています。美しく高級感あふれる見た目と人懐っこさ。このギャップは、ファンにとってはたまらない魅力でしょう。

狩りがとても上手な黒猫は、「賢い猫」としてもよく知られています。賢さを表す例として挙げたいのは、飼い主さんに対する接し方です。行動や態度、雰囲気から飼い主さんの気持ちを察し、それに合わせてふさわしい行動を取ってくれます。

いわゆる「空気を読む力」があるのも、黒猫の特徴です。愛情深さとやさしさ、両方を兼ね備え、飼い主さんに対しても忠実なところがあります。たとえば、何か悲しいことがあったとき、黒猫がそばに寄り添ってくれるだけで、勇気づけられることも多いはずです。

2.黒猫はなぜラッキー・キャットに?

黒猫柄のメイン・クーン

日本では、古くから黒猫は幸運をもたらす存在だと信じられてきました。暗闇でも目が見える、という理由によって、魔除けや商売繁盛などのご利益があるとされています。江戸時代には、黒猫を飼うと結核が治る、恋わずらいに効く、という俗説まで広がったほどです。

同じように、イギリスやアメリカ、中国、カンボジアなどの海外にも、黒猫をラッキーキャットとしてみなす習慣があります。

飼うと幸せになれる、という基本形をはじめ、悪霊払い、恵みの雨、賭け事のおまじない(黒猫の背中を7回撫でる)、さらには、若い女性が黒猫を飼うとモテ期到来、という聞き捨てならないものまであります。

実際に黒猫を飼っているみなさんからすれば、言い伝えをことさらに持ち出すまでもなく、日々、癒しのパワーを浴びて、その「ご利益」を実感していることでしょう。

ちなみに、純血種の黒猫には、ボンベイを筆頭に、ブリティッシュショートヘア、アメリカンショートヘア、サイベリアン、ノルウェージャンフォレストキャット、メインクーン、ペルシャなどがいます。

3.人間を「刺激」してやまない黒猫の神秘性

黒猫のアップ

猫柄の起源を遡ると、猫の祖先・リビアヤマネコのキジトラ模様に行き着きます。

現在のように多彩な毛並みに分かれたのは、イエネコとして人間と暮らすようになってからです。栄養状態が行き届き、繁殖活動が活発になった結果、突然変異が起こりやすくなったため、今までになかった模様の猫が数多く誕生しました。

白猫や三毛猫などと同じように、黒猫もまた、突然変異によってもたらされた猫柄です。

日本の歴史で、初めて黒猫が登場したのは、平安時代初期の文献、「寛平御記」とされています。著者は宇多天皇で、今で言えば、「寛平御記」は日記のようなものです。

「寛平御記」のなかで、宇多天皇は、父親の光孝天皇から譲り受けた黒猫へのあふれる愛を縦横無尽に語っています。美しい毛並みや静けさに満ちた身のこなし、ネズミに対する鋭い反応など、冷静な観察に基づいた溺愛ぶりは、元祖・愛猫家そのものです。

一方、主に中世ヨーロッパでは、黒猫の歴史は受難の歴史と言えます。15~17世紀に渡って横行した魔女狩りによって、数え切れないほどの黒猫が犠牲になりました。

魔女とセットで黒猫が迫害対象にされたのは、古くから魔女の使い、あるいは、パートナーとして考えられていたからです。暗闇に溶け込む黒猫の妖しいたたずまいと魔女の不思議な存在感が、おそらく、人びとのなかで合致し、潜在的恐怖感を刺激したのでしょう。

現在も尾を引く負の歴史を断ち切るため、イギリスやイタリア、アメリカで、動物保護団体などによって、「黒猫の日」が制定されています。また、ひとりの男性の活動をきっかけに世界中に広まった「黒猫感謝の日(8月17日)」というものもあります。

人間に振り回されてきた黒猫の歴史は、視点を変えてみると、逆に、黒猫が人間にとっていかに圧倒的な影響力を及ぼしていたかを物語っています。

不幸を招くにせよ、幸運が訪れるにせよ、人間側の論理でいくら意味づけされようとも、黒猫は、昔も今も変わらず、美しい姿でたたずんでいるだけです。

魔女狩りや魔除け、商売繁盛など、善と悪、正反対のイメージを人間に喚起させる底知れぬ神秘性こそ、黒猫が持つ最大の魅力かもしれません。

まとめ

横たわる黒猫

今回は、黒猫の歴史や一般的な性格、なぜ福猫として知られるようになったのか、などについて解説しました。本文でも紹介した宇多天皇の深い黒猫愛に関しては、現代に生きるみなさんもリアルに共感できるでしょう。

時代が進んでも、黒猫は人間たちを魅了してやみません。負の歴史を繰り返さないためにも、これからも黒猫たちをこよなく愛してあげてださい。

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