放浪癖の強い猫
![ボンダイビーチの看板](https://cdn.p-nest.co.jp/c/nekochan.jp/pro/resize/700x500/100/9/84a121577c644ebc4264b6c6e7d287e5.jpg)
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シドニーにある海辺の街、ボンダイでは、白猫Bentleyを知らない人はほとんどいません。酒屋さんのカウンターに座ったり、スーパーマーケットの陳列棚の前をうろついたり、あるいは勝手にだれかのアパートの部屋に住み着いてしまったり…この猫の神出鬼没な行動は、地元で有名なのです。Facebook上の地元グループのページにも、常にBentleyの行状が投稿されています。
IT業界で働く飼い主のElaine Moynan さんはこう話します。
「とにかく散歩が大好きなのです。この猫を家の中に閉じ込めようとしても、すぐに逃げ出す方法を見つけてしまいます。9年前、生後6週間のときに家族に迎えた当時は、室内飼いにするつもりでした。でも、あるとき3人の娘が庭に連れ出したのをきっかけに、その後はすっかり出歩くのが好きな猫になってしまいました」
見知らぬ人についていく猫
![塀の上を歩く白猫](https://cdn.p-nest.co.jp/c/nekochan.jp/pro/resize/700x500/100/7/43c07e90596abb0b7ba69408eff38d7b.jpg)
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Bentley は「ブレア通りの猫」とも呼ばれ、地元の人々は自宅の場所もちゃんと知っています。
「散歩中で会った人について行ってしまうのです。まるで犬みたいな猫だわ」とElaineさん。あるときは、テレビ番組で有名なボンダイ海岸のライフガード、Harriesさんと一緒に、彼の家まで行ってしまったこともあったそうです。
「冒険が終わってうちに戻ってくると、下の娘のベッドに横たわって休みます」
ある日Elaineさんがジムでワークアウトをしていたら、見知らぬ女性が近づいて「うちにBentleyがいるのよ」といわれたこともありました。その女性の家は、自宅から2キロも離れているというのに。さっそく迎えに行った彼女は、女性の部屋のソファにのんびり座り、窓から見えるハーバーブリッジの風景を楽しんでいるBentleyをみつけました。
あるときはFacebookに「しばらく前からうちの酒屋に猫がやってきて、帰ろうとしません。だれが飼い主なのでしょうか?」という投稿も寄せられました。
ほかにも「猫がついてきて、我が家まで入ってきたよ。居間の椅子にゆったり座ってテレビを見てくつろいでいるけど、一体だれの猫?」「自宅前に白猫がたたずんで、動く気配もなく日向ぼっこを楽しんでいる。ぼくのことが好きなのかな?」などの投稿があります。いずれもBentleyなのです。
冒険好きゆえの危険も
![若い女性にかわいがられる白猫](https://cdn.p-nest.co.jp/c/nekochan.jp/pro/resize/700x500/100/2/ab901f1e9c423893fe632c468433ed34.jpg)
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しかし放浪癖のせいで危険な目にあったことも何度かあります。
数年前にBentleyが何ヵ月も家に帰ってこなかったとき、交通事故にあったのかもしれないとElaineさんは心配し、半ば諦めてもいました。しかし驚いたことに、車で1時間以上も離れた遠い場所で発見されたのです。
「Facebookを見た知らない人から『あなたのBentleyが、ホークスベリー・パウンドに来ています』という電話を受けたのです。そんな遠くに歩いてはいけないので、だれかに連れ去られたのだろうと思います。別のときには5ヵ月間行方不明になったこともありました。そのときはキャンパーダウンにある獣医に保護されていたのです。このときは野良生活をしていたようで、あちこちに切り傷があって、とても不安そうでした」
大変な目にあったので、今度こそはBentleyも自宅でひっそり暮らすようになるだろうと考えたElaineさんでしたが、期待外れに終わりました。この猫はやはり放浪生活を続けているのです。
Elaineさんは、首輪をいやがるBentleyになんとかエアタグをつけて、行き先を追跡しようと努力中です。
「とりあえず今は、ディスカウントショップで安価な首輪を大量に買って、外してしまっても次の首輪をすぐにつけられるようにしています」と話すElaineさん。神出鬼没の猫との「首輪合戦」は当面続きそうですね。
出典:'Sitting on our armchair': Meet Bentley, Bondi's most famous cat