猫の被毛がところどころ『毛割れ』するのはなぜ?4つの理由と対処法

猫の被毛がところどころ『毛割れ』するのはなぜ?4つの理由と対処法

猫の被毛が束状になり、バサバサとした見た目になる「毛割れ」。実は、毛割れは猫の健康状態が影響している場合もあります。本記事では、猫に毛割れが起こる原因とその対処法について詳しく解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫の被毛の毛割れとは

高齢のキジ白猫

「毛割れ」とは、猫の毛並みがふんわりと整っておらず、毛が束になって分かれている状態です。そのため、被毛がバサバサとした印象を与え、場合によっては毛の分け目から皮膚が見えることもあります。

猫の被毛の毛割れの理由と対処法

窓のそばに座るキジトラ猫

1.老化

猫の毛割れの主な原因のひとつが老化です。老化により代謝が低下すると、被毛に必要な栄養が行き届かなくなったり、皮脂の分泌が変化したりします。

また、加齢に伴う食欲の低下で栄養が不足することも毛割れの要因です。

食事内容を見直し、水分補給をしっかりと行っているかチェックしましょう。療法食を与えている場合は、獣医師に相談することをおすすめします。

さらに、老猫では被毛の潤いが不足したり、毛づくろいの頻度が減ったりするため、部屋の湿度を50%程度に保つ、ブラッシングやシャンプーシートを使ったグルーミングを取り入れることも効果的です。

2.病気

内臓に問題がある場合に、毛割れが見られることがあります。特に腎機能が低下している場合や脱水症状がある猫は、毛割れが顕著になることが多いです。

毛割れに加え、食欲不振や元気の低下など普段と異なる様子が見られた場合は、早めに動物病院を受診してください。

また、1年に1回、場合によっては半年に1回の定期健康診断を受けることで病気の早期発見につながります。

さらに、フケの増加、皮膚の赤み、かゆみなどが見られる場合も、皮膚トラブルが原因で毛割れが起きている可能性があるため、早めに獣医師の診察を受けましょう。

3.フードの影響

皮膚や被毛は栄養状態のバロメーターともいわれています。猫の体質に合わないフードを与えることで、被毛がツヤを失ったり、毛割れが起きたりする場合があります。

フードを変更した場合は、2~3ヶ月間観察して適しているかを判断しましょう。

同じフードを長期間与えている場合でも、年齢や代謝の変化に伴い栄養バランスが合わなくなることがあります。そのため、毛艶が悪い、毛割れが目立つと感じた場合はフードを見直すことを検討してみてください。

ふけや脱毛の多さなどが目立つ場合、皮膚のデリケートな猫用のフードなども存在します。

一般食だけでなく療法食でケアができる場合もありますので、かかりつけの先生に相談することも有意義である可能性があります。

4.汚れ

皮脂の分泌が多い体質の猫では、被毛が束になりやすく毛割れが起こることがあります。皮脂汚れを放置すると毛玉の原因にもなるため、適切なケアが必要です。

抜け毛を取り除くためのブラッシングに加え、皮脂汚れはシャンプーで落とすことが重要です。

しかしシャワーやドライヤーなど猫にとって嫌いなものが多いシャンプーという行為は、家庭で簡単に行うことは難しいケースが多いです。

シャンプーが難しい場合は、猫専用のグルーミングサロンを利用するのも一つの方法です。また、シャンプーを嫌がる猫にはシャンプーシートやホットタオルを使って汚れを拭き取るとよいでしょう。

まとめ

上を見る猫

猫の被毛に毛割れが起きる原因は老化が多いものの、フードが体質に合わない場合や病気が関係していることもあります。

病気が疑われる場合は早めに動物病院で診察を受けましょう。

また、ブラッシングやシャンプーなど定期的な被毛ケアを行うことも、毛割れを防ぐためには欠かせません。

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