あちこちへ出没する有名猫
Billy Whiskersをご紹介しましょう。まるで80年代のポップスターの名前みたいですが、実はニュージーランド南島のダニーデン郊外をあちこち歩き回る、「フーテン」のような猫の名前なのです。
生後11ヵ月のこのラグドール系ミックス猫はカイコライ・バレーに住んでいます。付近の住宅や店舗、学校、横断歩道などに出没して、愛想をふりまくことで有名です。
飼い主のJen Smartさんは、2024年初めにこの猫を家族に迎えました。以来Billyの冒険的なライフスタイルに合わせて生活してきたといいます。
他人の家で「飼い猫」になったことも
「家を出て何日も行方不明になったことがあります」というJenさん。
見ず知らずの家に4日間も滞在したこともあるとか。実はその家の猫はちょうど家出をしていて、しかもBillyとそっくりだったといいます。
「これはうちの猫ではない」と気づいたのは、Billyが家族に寄り添って甘えてきたからだそうです。Billyはとても人懐っこい猫ですが、その家の猫は決して甘えない性格だったのです。
「家に帰ってこなかったときは心配しました。すぐ姿を消してしまうので、居場所を知る唯一の機会は、だれかがSNSに投稿してくれたときだけです」とJenさんはいいます。
彼女とパートナーはBillyを室内に閉じ込めようと努力し、たとえ出かけても行方を追跡できるようあらゆる手段を講じました。しかし、すぐに追跡装置付きの首輪を外してしまい、現在は4つめの首輪をしているといいます。しかも自力で窓を開ける方法まで習得してしまっているのです。
「Billyは自分でルールを決める猫なので、こちらの思うようにはいきません」
目撃情報はSNSでも
Jenさんは、Billyに関する電話連絡を週に2回は受けます。商店街をうろついていたときは、1日に7件も連絡が入ったこともあったそうです。この人懐っこい性格が「いつかトラブルの元になるのでは」と、彼女は心配しています。
「大雨が降っているときだけは家の中にいます。すごく落ち込んで、ただじっとしているのです」
ところが雨が止むとさっそく谷を下っていき、いろいろな場所を訪問するそうです。とくにカイコライ・バレー高校はお気に入りの場所で、よく職員から「こちらに来ていますよ」と電話を受けるとか。
副校長のJanette Potterさんは「この猫は受付でキーボードの上に座ったり、学校の食堂で食べ物をあさったりしてくつろいでいます。教室や学生の机にまで入り込むことがありますね。学生たちも猫と遊ぶのが好きです」と話しています。
ニュージーランドのダニーデンで「迷子ペット」に関する情報を提供しているSNSでは、Billyの目撃場所や写真、ファンからのコメントなども掲載しています。
今後もこの猫の「足取り」には目が離せませんね。