猫がちゅぱちゅぱ『吸いたくなる』4つのもの なかにはやめさせたほうがいいものも

猫がちゅぱちゅぱ『吸いたくなる』4つのもの なかにはやめさせたほうがいいものも

猫が、ものをちゅぱちゅぱ吸う仕草は、まるで赤ちゃんのように愛おしいです。しかし、一部、猫の健康や安全に悪い影響を与える場合もあるため、注意する必要があります。この記事では、猫が「思わず吸いたくなるもの」を5つご紹介するとともに、やめさせるべき問題行動についても触れていきますので、ぜひご覧ください。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫が「吸いたくなる」4つのもの

毛布の上で寝ている子猫

1.毛布・クッション

ふわふわとした弾力のある質感の毛布やクッションは、多くの猫を夢中にさせます。

飼い主さんの匂いがついていることに安心し、かつての子猫時代を思い出しながら、母乳に見立てて吸っているのでしょう。

なかには「足踏み」をしながら吸う猫もいますが、これも母乳を出すための仕草の名残ですので、優しく見守ってあげましょう。

この行動は、母猫と離れるのが早かった猫ほど取りやすいと言われていますが、甘えん坊な性格の猫など行動をとる子は限定的であり、全ての猫に当てはまるものではありません。

2.ぬいぐるみ・オモチャ

猫によっては、ぬいぐるみやオモチャを、ずっと近くに置いておきたいお気に入りの存在と感じている場合もあります。

たしかにぬいぐるみを吸うだけではなく、持ち歩いたり、一緒に寝たりする猫もいるほどです。ちょうどよいサイズ感や、柔らかい手触りに、安心感が芽生えるのでしょう。

ただ、ぬいぐるみやオモチャには細かいパーツが多いため、誤って飲み込まないように注意してください。できれば、猫用に作られた頑丈なものを使うことをオススメします。

3.猫自身の肉球

自身の肉球を、おしゃぶりのような感覚で吸う猫もいます。

少しだけ吸う程度であればよいのですが、吸い過ぎて「吸いだこ」ができる猫もいますので、注意が必要です。

なかには、ストレスを発散するために吸っている場合もあり、根本的な要因を探る必要があるでしょう。

筆者の愛猫の場合は、引っ越しの直後、肉球を音を立てて吸う時期がありましたが、環境の慣れとともに、おしゃぶりする頻度は少なくなっています。

4.人の指・耳たぶ

人の指や耳たぶを吸うのも、やはり子猫気分が残っていることが理由でしょう。

母猫のような存在である飼い主さんを堪能しているため、特に気にならなければ、無理にやめさせる必要はありません。

しかし、その頻度や吸う強さによっては、皮膚がただれてしまう心配もありますので、状況に応じて中断するようにしましょう。

ちなみに、とあるYouTubeチャンネルでは、猫に1年間吸われ続けた飼い主さんの小指が、若干伸びたという珍エピソードも見られました。

やめさせたほうがいい「ウールサッキング」

毛布に顔をうずめる猫

吸うだけではなく、食べようとする行動が見られる場合には、速やかに対処しましょう。

これは「ウールサッキング」と呼ばれ、甘えたい猫に見られやすいと言われています。誤食は「腸閉塞」を発症させ、最悪の場合、手術で異物を取り除く必要も生じます。

その他には、嘔吐や下痢などの症状を引き起こすこともあり、軽視できません。少しでも誤食する可能性があるものは、猫の手に届かない場所に保管してください。

しかし、人間が日常的に使うものを隠すことが難しい場合は、飼い主さんが様子を見守ったり、ケージを活用したりすることも有効です。

また、ストレスが原因である可能性もあるため、猫の暮らしている環境を見直すようにしましょう。

まとめ

体を寄せ合う2匹の猫

猫は、柔らかい素材やお気に入りのぬいぐるみなどを好み、母猫を思い出しながら、ちゅぱちゅぱと吸う行動を取ることがあります。

単なる「もの」だけではなく、猫自身の肉球や、人の指・耳たぶも対象になることがありますので、吸いだこや皮膚のただれには、両者ともに気をつけましょう。

やめさせたほうがいいのは誤食につながりそうな「ウールサッキング」と呼ばれる行動です。

吸うだけではなく、毛布などの異物を食べてしまうと、腸閉塞の引き金となりますので、適切に対処してください。

甘えん坊な猫ゆえの可愛らしい行動ですが、愛猫の行動を日頃からよく観察し、安心できる環境を整えてあげましょう。

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