愛猫を見捨てないで!殺処分数を0頭にするためには……

愛猫を見捨てないで!殺処分数を0頭にするためには……

飼っている猫ちゃんの頭数が増えている一方で私たちの都合で手放してしまいその結果、殺処分されている猫ちゃんも多いのが現実です。なぜ家族の一員である愛猫を捨ててしまうのでしょうか……。

殺処分数の約8割は猫ちゃん

檻にいる白い猫

ここ最近ネコブームと呼ばれているほど猫ちゃんを飼っている方が増えており、私が働いている動物病院でも猫ちゃんの患者数や来院数も増加しています。

殺処分の現実

猫ちゃんが大好きな人にとって嬉しいことなのですが、その反面、裏ではたくさんの猫ちゃんがまだ生きれるはずなのに殺処分としてその小さな命が失われているのです。

保護団体やボランティア活動などのおかげで、年々殺処分数は減少傾向になっていますが、それでも一年間に約5〜8万頭の動物達が殺処分されています。これは、一日に約200頭の犬猫が殺処分されている計算になります。

殺処分の8割が猫

保健所や保護団体で受け入れる頭数には限度があります。その間に新しい飼い主さんや持ち主の方が現れなければ、殺処分の対象になってしまいます。

殺処分される猫の半数以上が子猫

殺処分されてしまった動物達の約8割が猫ちゃんで、その中でも子猫が半数以上占めており、生存できる確率は約30%ほどです。また犬に比べて返還率や譲渡率も低いのが現実なのです。

猫を手放してしまう理由とは…

捨てられた子猫

殺処分をするとき、狭い部屋にたくさんの猫ちゃんが入れられ、炭酸ガスを吸い込み窒息死させます。

動物管理センターでおこなうのですが、実際に足を運び収容されている動物達を見たことがあります。飼い主さんに捨てられてしまった影響で、人間自体が嫌いになり怯えて震えてたり、威嚇したりしている子が多かったです。

なぜ手放してしまうのでしょうか……。

思っていたのと違ってたから

好きだから、可愛いからという理由で飼い始めたが、実際に飼ってみて思っていたのと現実が違いすぎて嫌いになったケースが非常に多いです。例えばお世話やしつけが想像していたより大変で邪魔な存在になった。

子猫が多く生まれてお世話できない

最近メディアで話題になっている多頭飼い飼育の崩壊のことです。犬に比べて猫ちゃんは繁殖率がほぼ100%近くといわれており一回の出産で3〜5匹の子猫を産みます。

そのため去勢や避妊手術をしていないオス猫とメス猫、どちらとも飼育していた場合、どんどん子猫が生まれ、数が増えていきます。猫ちゃんを飼っている方はご存知だと思いますが、1匹でもお世話するのが大変であり費用もかかります。

最終的に猫ちゃんの頭数が増えてお世話できなくなり放棄してしまうのです。

高齢で介護が困難になってしまった

猫ちゃんも高齢になると認知症になり、徘徊や夜鳴きの他に性格が変わり、攻撃的になりやすい傾向があります。その影響で夜鳴きで睡眠不足になったり、近隣住民からの苦情で精神的に追い詰められ捨ててしまいます。

医療費が払えない

最近ではペットの保険が出てくるようになりましたが、それでも動物医療費は高額です。病気にかかった場合、医療費が高くてまともに治療が受けることができない。

飼い主さんが亡くなってしまった

一人暮らしの高齢者の方で先に亡くなってしまい引き取り手が見つからなかった。

売れ残り

ペットショップで販売していたが飼い主さんが見つからず売れ残りになってしまった。

ペット殺処分数0の国ドイツ

シェパードと子猫

ドイツでは殺処分数が0頭といわれており世界で1番、猫ちゃんが幸せな国とも呼ばれてもいます。

ドイツの殺処分に関する法律

なぜ殺処分数が0頭なのでしょうか?日本では収容期間内に新しい飼い主さんや持ち主が見つからなかった場合、殺処分されてしまいます。しかしドイツでは殺処分してはいけないと法律で定められています。

ドイツにはペットショップが無い

またドイツでは、ペットを手に入れる主なルートは生体販売の許可されているブリーダーか保護施設からであり、日本のようにペットショップではほぼ販売されていません。

そのため私たちは、ペットショップで飼おうとすぐ思いつきますが、ドイツの方は保護施設から見つけようという考え方をします。

ドイツのティアハイム

飼い主さんの都合で飼育困難になってしまった子は、ティアハイムと呼ばれる施設で保護され、新しい飼い主さんが見つかるまで暮らすことができます。

ティアハイムの数は約1000施設ほどがあり、動物愛護に力を注いでいるのかが分かります。また約90%の確率で新しい飼い主さんが見つかっています。

まとめ

檻にいる子猫

猫ちゃんが犬より殺処分が多いのは野良猫も含まれていますが、猫の生態を知らずに飼ってしまい、その結果、思っていたよりもお世話が面倒くさく感じてしまったり、問題行動により嫌いになり手放してしまうケースが非常に多いです。

猫ちゃんも含めて動物も私たちと同じ命の重さです。私たちの都合で手放してはいけません。

飼うのならば最期まで責任を持ってお世話をし、病気になった際も、きちんと治療を受けてあげることが飼い主の義務だと思っています。もちろん年に1回のワクチン接種や、望まない子猫を増やさないために去勢、避妊手術も受けることです。

飼う前にどんな特徴があるのか、飼う際に気をつける事や病気になった時の医療費が払えるかどうかなど見つめなおすことも大事です。

また保健所や保護団体主催の譲渡会に足を運び、新たな出会いを探すことが、少しでも猫ちゃんの殺処分数を減らすことができ命が救われます。

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