愛猫を『甘やかしすぎてしまう』ことのリスク3選 起こり得る猫の心身への悪影響も

愛猫を『甘やかしすぎてしまう』ことのリスク3選 起こり得る猫の心身への悪影響も

猫を愛するあまり、つい甘やかしたくなる人は多いかもしれません。しかし、その「甘やかし」が猫の健康や心の安定を損ねる原因になることもあるんです。ここでは、猫の健やかな生活を守るために、甘やかしすぎることで起こり得るリスクを紹介します。猫が幸せに暮らせる接し方のポイントを知り、猫の心身の健康を守りましょう。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

愛猫を『甘やかしすぎてしまう』ことのリスク

猫におやつ

1.肥満と健康問題の増加

ときには「少しくらいなら大丈夫」と思って猫におやつを与えすぎてしまうこともあるでしょう。

猫はカロリー過多になると肥満体形になりやすく、糖尿病や関節炎など多くの病気を引き起こします。とくに室内飼いの猫の場合、運動量が少ないため、少しのカロリー過剰でも体重が増えやすいのです。

猫が病気を寄せつけにくい健康な体を維持するためには、おやつの頻度や量を見直すことがとても重要です。「おやつの代わりに遊ぶ時間を増やす」といった別の楽しみを与えてあげましょう。

2.ストレスや不安を招く

常に猫の欲求を満たしていると、逆にストレスや不安が増加することがあります。

たとえば、「猫が寂しがって鳴いたらすぐに抱っこをする」というように、猫の言う通りにする行動が習慣化すると、猫は「自分の要求が常に通る」と思い込んでしまうのです。

飼い主さんがいつも猫の傍にいることはできないため、不在時にその要求が満たされないと、過剰なストレスを感じ、不安で落ち着かなくなります。

3.問題行動が発生しやすい

甘やかしすぎると、猫の行動がエスカレートしてしまうこともあるでしょう。

家具を傷つけたり、物を落したりする行動を「可愛いから」と許していると、それが猫にとって「してもいい行動」だと認識されます。

こうした問題行動が癖になってしまうのは、飼い主さんが「優しくしてくれる」「構ってもらえる」ことを目的に行っていることもあります。後からやめさせるのは困難なため、最初から叱り方の明確なルールを設定することが重要です。

甘やかしすぎないためのポイント

猫を撫でる人

猫を甘やかしすぎないためには、次のようなポイントを意識しましょう。

おやつを計画的に与えるためには、猫がお留守番ができたとき、爪切りやシャンプーなどのお手入れを頑張ったときなど「ご褒美」程度に留めておくのが理想的です。

猫が飼い主さんに甘えてばかりいるのは、環境に不安や不満を感じていることもあります。なるべく、食事や遊びの時間を決め、猫とスキンシップをとる時間も確保するようにしましょう。

もしも猫が鳴いても、要求が不適切であればすぐに応じず、猫にとって適切な距離感を保つことが、ストレスのない快適な生活を維持する秘訣です。

まとめ

猫を抱っこする飼い主

猫を甘やかしすぎると、肥満やストレスによる健康問題、問題行動の発生といったリスクが生じやすくなります。

愛情は、猫が幸せで健康に暮らすための適切な形で表現することが大切です。愛猫だけでなく、飼い主さんにとっても生活がより楽しく充実したものになるよう、猫への接し方や関係性を見直したいですね。

スポンサーリンク