猫ちゃんの家庭での様子は?
猫ちゃんは飼い主さんとの距離が近すぎてもストレスになったり、こだわりが強かったり、飼い主さんがコントロールすることが難しい生き物ともいえるでしょう。
目指すべき長生きのスタイルに正解はなく、適したスタイルは猫ちゃんの性格や飼い主さんとの関係性などによっても異なります。
まずはお家の猫ちゃんが家庭ではどんな状況か振り返ってみましょう。
飼い主さんとの信頼関係
猫ちゃんと飼い主さんの信頼関係はどのような状態でしょうか。
まったく触らせてくれない子もいれば、飼い主さんが大好きでずっとべったりくっついている子もいると思います。
飼い主さんが大好きな子でも、猫ちゃんが嫌なこともきちんとさせてくれる場合と嫌なことは絶対にされたくないという場合があります。
健康面でのトラブルがあった時に、病院へ連れて行くケースや家庭でのケアが必要となるケースが多いですが、飼い主さんとの信頼関係次第で、選択肢も異なります。
外の音やものに対しての反応は?
飼い主さんに対しては絶大な信頼をしている猫ちゃんも多いでしょう。
しかし、こだわりが強かったり、警戒心の強い子の多いため、小さな変化でも怖いと感じたり苦手になってしまうケースもあります。
お家の猫ちゃんはいかがでしょうか?
家族以外の人が怖いと感じていたり、普段聞きなれないような音やにおいがすることで警戒心を強く持つ場合、家の外に出ることが大きなストレスとなる場合があります。
例えば、入院や受診頻度が増えた場合に、都度恐怖を感じたり警戒することでストレスを感じる可能性が高いため、そのことも考慮した選択肢を選ぶ必要があります。
ごはんなどはどのようにしている?
猫ちゃんは食に対してもこだわりが強い子が多いことも特徴的です。
キャットフードを決められた時間に食べている子、一日を通して好きなタイミングに少しずつ食べる子、飼い主さんがご飯を食べるときに食卓のものを一緒に食べたい子、様々な子がいるでしょう。
見つかったトラブルによっては治療の一環として食事管理が必要なものもあります。
猫ちゃんの食生活によって治療の選択肢も限られてしまう場合があります。
家庭でどこまでできる?
猫ちゃんと飼い主さんの関係性によって、家庭で必要なケアのどこまでが可能かということはそれぞれの家庭で異なると思います。
トラブルが発覚した場合、治療の選択肢が複数あっても家庭でのケアが難しい場合、選択肢を狭めなければならない場合もあります。
投薬
まず大切なのが投薬が可能かどうかということです。
注射での投薬は即効性がありますが、経口投与の方が持続性もあるため、家庭での投薬は一般的に経口投与で行なうケースが多いです。
何でも食べてくれる子であれば、ごはんに混ぜての投薬や味の付いたタイプのお薬を選択することで家庭でも投薬が可能になるでしょう。
口の中にお薬を入れて飲ませることができるような信頼関係が築けている場合、とても望ましいです。
猫ちゃんの場合、糖尿病による家庭での注射でのインスリン投与や腎不全の時に家庭で皮下点滴をするというケースもあるため、猫ちゃんに対して触れたり、お口の中も触れる関係性が構築できていると家庭でできるケアの選択肢が増やせます。
どうしても難しい場合、入院や受診頻度を増やして、都度病院で注射をするなどの選択肢に限定されます。
ごはんのコントロール
トラブルによっては、ごはんの種類を制限されたり、与える時間をある程度一定にする必要性などがあります。
ごはんのコントロールが難しい場合、療法食などでの方法を加えた治療の選択肢を選ぶことは難しくなるでしょう。
また、健康診断などで一定時間の絶食が必要な場合もあります。
猫ちゃんの特性上難しい場合もありますが、決まった時間に決まった量のキャットフードを食べる習慣があると、治療の一環で食生活の見直しなどをする際に役立つ可能性があるでしょう。
定期的な受診は可能?
飼い主さんが家庭で行なう健康チェックは最も大切な習慣と言えますが、定期的に動物病院を受診して、猫ちゃんの全身状態を確認することも大切です。
特に高齢になって持病がわかった時に、定期的に行う検査や処置のために受診する頻度が高まる可能性が高いです。
外の世界が怖い猫ちゃんや家族以外の人が苦手な猫ちゃんの場合、ストレスを軽減するためにどうしても受診頻度を少なくしてしまう傾向があります。
家庭に動物病院の先生に診察に来てもらう往診という手段もありますが、できる処置が限られてしまうことや家庭では猫ちゃんも甘えが出るため、処置をより嫌がって流れがスムーズでなくなるなどのデメリットが挙げられます。
最近では猫ちゃんの特性をわかったうえで、わんちゃんの声や気配が感じにくいような猫ちゃん専用の待合室、診察時間を設けるなどの、猫ちゃんにとって動物病院を苦手に感じにくくさせるような特徴を持ったキャットフレンドリー病院などの動物病院も増えてきています。
長生きのためにどんなことに気を付ける?
どんな飼い主さんでもお家の猫ちゃんに長生きしてもらいたいという願いを持っているものでしょう。
では、日常生活でどんなことに気を付けたらよいのでしょうか。
受診の習慣をつける
お家の外に出ることが苦手な猫ちゃんも多いため、ストレスが少しでもかかりづらいようにと考えてよほどの病気がないと動物病院へ行かない飼い主さんも多いのではないでしょうか。
いざというときや、病気の早期発見のために信頼できるかかりつけの先生を見つけておくことはとても大切です。
猫ちゃんの性格を含め、苦手なものや興奮のスイッチなどがわかってくれているかかりつけの動物病院や先生がいると、処置の際に苦手なことを避けたり、上手に興奮をさせないように行ってもらえる可能性があるでしょう。
いざ病気で初めての病院にかかると、猫ちゃんも緊張や興奮で嫌な思い出が残ってしまったり、飼い主さんも獣医師の先生に相談しづらかったり、処置の希望なども言い出しづらかったりすることもあります。
普段から、体重測定などの猫ちゃんに負担のかかりづらいことで受診をする習慣が作れると、猫ちゃんも先生に慣れてくれたり、飼い主さんもかかりつけの先生との信頼関係を築きやすい可能性が高いです。
家庭で少しでも触れる関係性を作る
猫ちゃんにトラブルが見つかった場合、病院での処置だけでなく、家庭でのケアが必要なケースも多いです。
そんなときに、猫ちゃんとの関係性が築けていないと、家庭で行なえるケアが少なく、治療の選択肢が狭まってしまう可能性があります。
普段から猫ちゃんが嫌がらずに触れ合える関係性が築けていると、体を触って変化に気づくこともできます。
早期発見のために、日常的に触れ合って小さな変化に気付けることが大切です。
お家に迎えたときから、触れ合える距離感や関係性を築いておくことをおすすめします。
トラブルがわかった時にどこまでの治療を望むか家庭で相談しておく
どんな子も健康でいて欲しいという願いは、すべての飼い主さんに共通だと言えるでしょう。
しかし、様々な病気にかかる可能性があり、その病気がとても難しい病気である可能性もあります。
かかりつけの先生だけでなく、大学病院などの二次診療施設への受診が必要になるケースや、難しい手術などでかかる費用が高額になったり、継続的な治療が必要になるケースがあります。
猫ちゃんの性格や、飼い主さんの経済状況などで、選択肢によっては受けることが難しい治療もあるかもしれません。
その選択肢は飼い主さんの考えや生活環境によっても様々であり、この選択肢にしなければならないという絶対的な正解はありません。
普段から万が一病気になったときにどのような選択をするか、どの程度までの治療を望むか、どのように看取るかということまで家族で相談しておくと、いざというときに後悔の少ない選択ができる可能性が高いです。
まとめ
どんな猫ちゃんでも、長生きをして少しでも長い時間飼い主さんと一緒に時を過ごせたらと飼い主さんが願うことは当然のことです。
しかし、多くの場合が飼い主さんが猫ちゃんを看取ることになるケースが一般的です。
看取りのときに、少しでも後悔を少なくできるように普段から飼い主さんができることを家庭でも行ったり、きちんと意見をまとめておくことをおすすめします。
個人的な意見ですが、看取りのときにさみしい、悲しいという感情が現れるのは当然ですが、それだけでなく後悔は少なく、楽しかった幸せな日々の思い出もきちんと猫ちゃんに感謝をしながら見送れることが理想的なのではないかなと思います。