前足にしっぽを巻きつける「しっぽ巻き座り」とは
猫は香箱座りやエジプト座り、横座り、スフィンクス座りなど、さまざまな座り方を使い分けています。今回ご紹介する、前足にしっぽを巻きつけるようにして座る「しっぽ巻き座り」も、そんな猫の座り方のひとつで、猫ではよく見られるポーズです。
しっぽ巻き座りは猫の座り方の中でも、どこか優雅でかしこまっているように見えます。ですが実際には猫が周囲の環境に敏感に反応しているサインでもあります。つまり警戒をしているときに見られる座り方なのです。
それでは、もう少し詳しく見ていきましょう。
1.警戒している
猫のしっぽ巻き座りは、すぐに逃げ出すほどではないけれど、警戒状態にあるときに見られる座り方です。自分の体にしっぽを巻きつけることで自分の身を守り、身の危険を感じた際には素早く動き出せる体勢と言われています。
初対面の人や動物、物、できごとに警戒しているときによく見られます。
同時に、瞳孔が大きくなる、イカ耳になっている、ヒゲがピーンと張っているなどの様子が見られることが多いでしょう。
猫が周りを警戒してしっぽを前足に巻きつけているときは、無理に抱き上げたり触ったりするのは避け、猫がリラックスできるよう、そっとしておくのがおすすめです。安心できると思えば、すぐに警戒を解いて、いつもどおりに過ごしはじめるでしょう。
2.しっぽを汚したくない
几帳面できれい好きなことでも知られる猫は「しっぽを汚したくないな」と感じたときにも、しっぽ巻き座りをすることがあります。体に巻きつけることで、しっぽが汚れたり、濡れたりしないようにしているのです。
家の中でこの行動を見かけたときには、もしかすると猫が環境に対して不快感を覚えているのかもしれません。きれい好きな猫のために、環境を整えてあげる必要があるかも。床が汚れたり、濡れたりしていないか確認しましょう。
3.寒くて体に巻きつけている
猫は「寒いな」と感じたときにもしっぽ巻き座りをすることがあります。しっぽを前足や体にぴったりと巻きつけて、できるだけ体熱を逃がさないようにしているのです。
猫がしっぽを巻きつけているときは、部屋の温度が適切かどうか確認し、必要に応じてブランケットを敷いたり、ペット用のホットカーペットを使用したりして暖かくしてあげましょう。
また室温があきらかに低いときは、暖房を使用して部屋全体を温めてあげてください。
ちなみに、猫にとっての適温は、室温21〜28度程度とされており、冬は23度前後が推奨されています。湿度は50〜60%程度に保つようにしましょう。
まとめ
猫が前足にしっぽを巻きつけている「しっぽ巻き座り」は、かわいらしいだけでなく、猫の心理や体調をあらわすサインです。
なにかに警戒しているとき、しっぽを汚したくないとき、寒さから身を守るためなど、猫がこのポーズを取る理由はさまざまです。
猫がしっぽ巻き座りをしていたら、警戒する要因はないか、寒くないかなどを確認して、猫が安心して過ごせる環境を整え、優しく見守ってあげましょう。