1.麦茶
猫に与えてもいい飲み物としては、まず『麦茶』が挙げられます。
お茶はダメなのでは、と感じるかもしれませんが、麦茶にはカフェインが入っていないためOKなのです。むしろ、その独特な香りが好きな猫もいるくらいです。
実際麦茶にはカルシウムやマグネシウムが含まれており、これらを摂り過ぎると尿路結石のきっかけになる可能性はあります。しかし、麦茶に含まれるカルシウム・マグネシウムはごく微量。余程ガブ飲みしない限りは、体に影響が出る可能性はほとんどないといえます。
猫が麦茶を欲しがる場合は『オヤツ』として与えても構いませんが、水の代わりにするのはおすすめできません。水を飲まなくなるリスクがあるためです。また、ミネラル分が心配なときは薄めて飲ませてもいいでしょう。
2.ヤギミルク
国内ではあまりポピュラーではありませんが、『ヤギミルク』も猫に与えられる飲み物のひとつです。牛乳よりも消化しやすいため、お腹を壊しにくいというメリットがあります。
また、ヤギミルクは栄養面も優秀です。とくにタウリンが豊富に含まれることが特徴で、タウリンが欠乏しやすい子猫や老猫には特に適しているといえます。猫は体内でタウリンを合成できないため、ヤギミルクで補うことができるというわけです。
さらに、ドライフードにかけてふやかしたり、手作りオヤツの材料にしたりするのがおすすめです。
愛猫に与えるときには、スプーン1杯程度から試します。それで下痢になるようなら控えた方がいいでしょう。また、いくら消化しやすいからといって、牛乳アレルギーの猫への代用としてヤギミルクを与えるのは厳禁です。
3.甘酒
アルコールが猫に厳禁なのは有名ですが、実は『甘酒』が健康に一役買うこともあります。
甘酒には「酒粕」と「米麹」の2種類があるのですが、そのうち「米麹」の甘酒には、アルコールが含まれていません。そのため、猫が飲んでも問題ないのです。
甘酒の主成分はブドウ糖で、巷では『飲む点滴』として重宝されることがあります。猫にも同じ効果を期待でき、子猫や老猫の栄養補給にぴったりなのです。そのほかに、消化を助けるために与えることもあります。
ただし、甘酒にはでんぷん質や糖質も多く含まれます。過剰摂取は肥満の元となるため、カロリーには十分注意が必要でしょう。またガン・リンパ腫を患う猫には、症状を悪化させてしまう可能性もあるため、絶対に与えないでください。
4.水道水
大切な愛猫に、水道水をそのまま与えてもいいのだろうか…と不安になったことがある人もいるかもしれません。しかし猫に与える水の中で、最も優れているのが水道水だと言われています。というのも、日本の水道水は猫に最適な軟水だからです(一部地域では硬水のため要注意)。
また、水道水は塩素消毒されているため、衛生面でも優れているといえます。
日本の水道水は、残留塩素の濃度もWHOが指定する規定よりはるかに少なく抑えられており、猫への影響はないといわれています。猫の飲み水は出しっぱなしにする時間が長いため、細菌が繁殖しにくいことは大きなメリットです。
とはいえ、猫に特別なものを与えたくて、市販のミネラルウォーターを飲ませようとするのはNGであることを知っておきましょう。
市販されている多くのミネラルウォーターは、カルシウムやマグネシウムが豊富な「硬水」であり、猫に与えると尿路結石の元になる可能性があります。また、井戸水も細菌が混入している可能性があるため、与えないようにしましょう。
まとめ
今回は、猫が口にしても安全な「飲み物」について解説しました。
猫に水以外のものを与えていいのは、どうしても水を飲んでくれないときや、補助的に栄養を摂りたいときだけです。麦茶やヤギミルク、甘酒は猫に安全な飲み物ですが、どんなものであっても過剰摂取はよくありません。
嗜好性の高い飲み物に偏らないためには、いつもの水を飲みやすくする工夫も必要です。食器を変えたり場所を変えたりすると、飲んでくれるようになることがあります。