猫の感情はしぐさや声に出る
人間は「嬉しい」「悲しい」という感情を、表情や言葉で表すことができますが、猫は人間のように表情は変えられず、言葉も話せません。
しかし、猫は「しぐさ」や「鳴き声」のバリエーションという形で私たちに感情を伝えてくれていて、日頃からよく観察していると、その時の猫がどのような気持ちでいるのかが分かるようになります。
猫の感情ごとのサインは、さまざまな仕草や行動で表現されますよね。たとえ人間の言葉を話せなくても、しっぽや耳の動き、仕草・行動や鳴き声で、猫の「喜怒哀楽」は見事に表現されているのです。
そこで今回は、猫の「喜怒哀楽」に関する豆知識をご紹介します。猫が日々どのようなサインを出しているのか、どんなときによく見られるかについて見ていきましょう。
1.「喜」
猫が喜んでいる(嬉しい)時のサインは、比較的よく知られているものが少なくないのではないでしょうか。
- しっぽをまっすぐ高く上げる
- しっぽの先を小刻みに震わせる
- ゴロゴロと喉をならす
- 足元にスリスリしてくる
- お腹を見せて仰向けになる
しっぽをまっすぐと立てるのは子猫時代にお母さんに排泄を促してもらっていた名残で、飼い主と目が合った時にルンルンと近づいてきます。先端をプルプルと小刻みに振るわせるのは嬉しさから興奮している時です。
ゴロゴロ音、スリスリ、仰向け(ヘソ天)は猫が飼い主や他の猫に対して甘える気持ちを表しています。どれも猫の機嫌が良い時に見られるサインです。
2.「怒」
猫の「怒」の代表的なサインといえば、「シャーッ!」と威嚇する様子が一番思い出されるかもしれません。猫を飼っていない人でも、この様子は猫の怒る様子だと分かりますよね。
しかし他にも、「しっぽをバタンバタンと叩きつける」「イカ耳になる」「毛が逆立つ」「噛んでくる」「パンチされる」などの仕草や行動が、猫の「怒」の感情を表すサインです。
例えば、猫同士でのじゃれ合いがヒートアップしすぎた時や飼い主からしつこく触られた時など、猫がやめてほしいと思うこと・不快なことがあった場合に見られます。
このようなサインが見られたら猫を構うのは中断して、できるだけそっとしておくのが無難でしょう。
3.「哀」
猫は悲しみや寂しさといった感情はないと言われているものの、甘えん坊な性格の猫は不安な気持ちや寂しさを感じることはあります。
そのような時には、「アオーン」と訴えかけるように鳴いたり、そばから離れようとしなかったり、というような様子を見せます。
また、あとをついて回るだけでなく、わざとイタズラをして寂しい気持ちをアピールしたりすることも。どのサインも、猫が飼い主の気を引こうとしている様子がうかがえます。
愛猫に「寂」のサインが見られたら構ってあげると猫は喜びます。しかし、毎回要望を叶えていると、癖になってしまって分離不安症につながることもあります。何回かに1回はサインをスルーするなど、猫との適切な距離感を保つことが大切です。
4.「楽」
猫が「楽」しい感情を抱いている時には、以下のようなサインが見られます。
- しっぽをゆっくりと揺らす
- ヒゲの向きが10時10分を指す
- 黒目が大きくなる
- 腰を高くあげて足元に寄ってくる
これらは、猫がリラックスした気持ちの時や機嫌が良い時に出るものです。おもちゃに惹かれていたり遊びに夢中になっていたり、というような場面でも目にすることができるでしょう。
愛猫に楽しい時のサインが出ていたら、時間をとってたくさん遊んであげると喜んでもらえますよ。
まとめ
今回は、猫の「喜怒哀楽」の豆知識について解説しました。
言葉や表情で感情を表せない猫にとっては、ちょっとしたしぐさや鳴き声の変化が感情を伝える唯一の方法です。
一見しただけでは猫が何を考えているか分からないかもしれませんが、日頃からよく観察していると案外色々な感情が外に漏れていることが分かるでしょう。
愛猫が出してくれているサインをしっかりキャッチできれば、良い関係の足がかりとなるはずです。