猫には「乗って欲しくない」場所別の防止法
猫の平均寿命が年々伸びている一因に、完全室内飼育の普及が挙げられています。自由に外に出られる猫と比較すると、室内のみで暮らしている猫の平均寿命は確かに長いということが分かっています。それだけ、室内は猫にとって安全な場所だということです。
ただし、室内にも猫にとって危険な場所がないわけではありません。また、飼い主さんの事情で乗って欲しくない場所もあることでしょう。
犬と比べてしつけが難しい猫に対して、乗っても良い場所と悪い場所を教えるのは至難の業ですが、愛猫の安全のためにも必要なことです。
そこで大切なのが、根気よくしつけを続けながら、並行して猫がその場所に乗らなくなる状況や環境を作り出すことです。
そこで今回は、猫には「乗って欲しくない」場所別の防止法について解説します。愛猫を叱るよりも効果的な方法を学んでおきましょう。
1.シンクの中
キッチンのシンクの中に三角コーナーなどを置いて生ごみを捨てている場合は、調理が終わったらすぐに廃棄して、普段は空の状態にしておく習慣をつけましょう。
また、洗い物も溜めずにすぐ洗うことを習慣づけましょう。そうすることで、猫の興味を引くものを取り除けます。
それでもシンクの中に入りたがる場合は、シンク用の万能パットを購入し、普段はそれで蓋をしておきましょう。DIYが得意な方であれば、百均で入手できる材料で手作りするのも良いでしょう。なお、蓋の上には何も置かないことが大原則です。
2.ガスコンロの上
普段からガスコンロに乗る習慣をつけてしまうと、調理中などに乗って火傷をしてしまうこともあるため非常に危険です。
使っていない場合は必ずガスの元栓を閉めておく、点火装置をロックしておく等で、猫が触っても着火しないように対策しておきましょう。
また、使っていない時には市販のコンロカバーをしておくことで、ニオイで猫を惹きつけたり、飛び乗った猫の毛で汚れたりすることも防げます。
3.ゴミ箱
ゴミ箱の数はできるだけ減らしましょう。
猫がゴミ箱を漁って禁忌な食材を誤食しないようにするためにも、台所に大きめの蓋付きのゴミ箱を設置し、各部屋にはできるだけゴミ箱を置かないことをおすすめします。
4.装飾品などを置いている棚の上
特に若くて好奇心旺盛な子猫時代は、棚の上の装飾品を落として遊ぶことを好む子も多いです。
室内の家具であれば、「どんなに高くても猫に飛び乗れない高さはない」と考え、上には装飾品などを置かないようにしましょう。
ガラス張りで重い扉や鍵のついた、猫には開けられない扉が付いている飾り棚を購入し、装飾品はそこで保管することをおすすめします。
5.食卓の上
食卓の上にガムテープを貼ったり、テーブルに乗った瞬間に霧吹きで水をかける方法で、『食卓の上は嫌な場所』だと覚えさせる方法が推奨されていますが、難しくて筆者宅では成功できませんでした。
そもそも、食卓上にガムテープを貼ってしまっては、人間にとっては不便になります。霧吹きは飼い主の仕業だとすぐに気付かれてしまうため、「飼い主がいない時なら大丈夫」だと学習されてしまいました。また、乗ったらすぐに抱いて降ろすことを繰り返したら、それが猫の遊びになってしまいました。
結局筆者は、食卓の上には何も置かないようにして、好きにさせることにしました。その代わり、決してつまみ食いをさせない、お裾分けもしないことで、人の食事中でも猫たちはちょっかいを出さずに隣で眺めているようになりました。
猫に「乗ってはダメ」と教える方法
猫へのしつけと犬へのしつけの基本的な考え方はよく似ています。
「体罰厳禁」「叱るよりも誉めることを優先する」「自ら良い行動をするように誘導する」、そして「タイミングを逃さない」という4つの点がポイントとなります。
猫へのしつけが難しい原因は、人から褒められることに、猫は犬ほど喜びを感じないことが多いからだと言えるでしょう。それでも前述の4つのポイントに配慮しながら、おやつを上手に使って根気よく教えていけば、決してしつけられないわけではありません。
もし猫が乗って欲しくない場所に乗ってしまった時は、すぐに「降りて」などの短い指示語をはっきりと聞かせながら、猫の鼻先におやつを差し出して降りるように誘導します。
さらに、猫がその場所から降りて床に着地したら、すかさず「いい子だね!」とか「よし!」などの褒め言葉と同時におやつをあげます。
これを繰り返すことで、猫は「床に降りると良いことがある」と学習します。
まとめ
猫と人が共に快適に暮らしていくためには、教えるべきことは教えながらも、猫が自然と良い行動をし、悪い行動をしない環境を作ることも大切です。
そして完璧主義は捨てるということも、気持ちよく暮らしていくためには必要なことなのだと思います。