これまで5人の首相と官邸で生活
2024年7月の英国の総選挙で、14年間政権を担ってきた保守党が破れ、労働党のKeir Starmer卿が新首相に決まりました。人々は、首相官邸のある「ダウニング街10番地」に起こる変化に注目しています。
というのも、長年ここには有名な猫のLarryが暮らしているからです。
2007年1月に生まれた17歳のLarryは、もともと野良猫でした。2011年に保護施設「Battersea Dogs & Cats Home」に引き取られたあと、当時の首相だったDavid Cameron氏と家族の住む10番地に引っ越してきました。
その後Cameron氏は官邸を去りましたが、猫はそこにとどまりました。以来、Larryは歴代の英国首相たち計5人と毎日を過ごしてきたのです。
しかし、この猫は誰かに飼われているのではありません。首相官邸の職員が猫の世話をし、餌代なども自発的に寄付してくれているのです。むしろLarryは「住み込みで働いている猫」だといえましょう。
ネズミ捕獲長に就任
彼の仕事は「訪問客を迎え、警備状況をチェックし、アンティーク家具の寝心地をテストする」ことなど。しかし、もっとも重要な仕事は「ネズミ退治」で、2011年4月に廊下にいたネズミをこの猫が仕留めたとき、内閣府が正式に「ネズミ捕獲長」として任命したほどです。
Larryは国際的な要人と出会うことも多いのです。ドナルド・トランプ氏の高額な改造キャデラック車の前をうろついていたこともあります。
2011年にCameron首相(当時)は「バラク・オバマ氏には、強く出ることができないみたいです。一度なでてもらったら、その後はオバマ氏を警戒することはなくなりました」と話しています。
首相の愛猫との関係にも注目が
新首相のもとでも、Larryは官邸にとどまります。
Starmer新首相には妻と2人のティーンエージャーの子供たちがいます。おまけに「Jojo」という名前の飼い猫もいるといいます。はたしてLarryと仲良くやっていけるのでしょうか。
投票結果が明らかになった日、将来への不安すら見せないLarryは、季節外れの雨と強風を避けるように散歩から戻り、親切な警官が開けてくれるまでドアのそばで待っていたということです。
今後の展開が注目されますね。
出典:
・Larry the Cat: what's next for the famous feline at Downing Street?
・All change at Downing Street, except Larry the Cat