1.お世話をサボりがち
猫は、せっせとお世話してくれる飼い主さんが大好きです。信頼してくれるかどうかは、具体的な行動=お世話の頻度と質によって決まります。猫の「審査」は非常に現実的であり、シビアです。基準値に達しないと、素直に甘えてくれないこともあります。
猫といっしょに暮らしていると、ごはんをはじめ、新鮮な水の用意、トイレ掃除、おもちゃを使った遊び、歯磨き、ブラッシングなど、さまざまなお世話が欠かせません。ストレス対策として、見晴らしのいいキャットタワーや隠れるための猫ハウスなどの設置も必要です。
日々のお世話の積み重ねは、愛猫の信頼を勝ち取るためのプロセスです。ときに無関心を装っているように見えますが、実は、愛猫は飼い主さんの行動を日頃からしっかり観察しています。
何日も前から食いつきが渋いのに、相変わらず、同じフードメニューばかり出していると、きっと愛猫はこう思っているはずです。
「もう飽きたニャ…」
人間の思い通りにいかないのが猫という存在です。
2.自分勝手にふるまいがち
猫は、ストレスを感じやすい動物です。ポーカーフェイスの裏側に繊細な感情を持ち合わせています。生活上の違和感、ストレスが、やがて、特発性膀胱炎などの泌尿器系の病気につながることも珍しくありません。
汚れたトイレの放置をはじめ、長時間の留守や頻繁な模様替え、来客を招いての大騒ぎ、かまい過ぎ、あるいは、気が向いたときだけかまう、など、自分本位な飼い主さんは要注意です。本人も気づかないうちに、愛猫のストレス源になっている場合があります。
表向きは平気な顔をしても、愛猫からこんなふうに呆れられているかもしれません。
「自分勝手だニャ…」
猫の一生は、人間と比べると、約4倍のスピードで進むと言われています。短い一生をできるだけ機嫌よく過ごしてもらいたいものです。
3.愛猫ファーストじゃない
前項のポイントとも関連しますが、3つ目に挙げるのは、愛猫の気持ちを考えていない、つまり、「愛猫ファースト」ではない、ということです。
猫との暮らしでは、的確な観察力と柔軟な想像力がものを言います。その2つは、日頃のお世話やいっしょに多くの時間を過ごすことで培われる能力です。
たとえば、愛猫の健康問題が良い例です。猫は、体調が悪くても上手に隠す習性があります。野生の世界では、体調悪化は、すなわち、外敵に襲われかねない弱味。命を守るためにも、絶対にバレたくありません。
しかし、普段から愛猫をよく観察していると、些細な変化にも素早く気づけ、手遅れになる前にちゃんと対応できます。愛猫の健康を守ることは、飼い主さんの責務です。
お世話の仕方やレベルは、人それぞれですが、猫暮らしでいちばん大事なのは、「愛猫の幸せが自分の幸せ」と飼い主さんが自然に思えるかどうかかもしれません。そして、愛猫の幸せのために実際に行動できることが何よりも重要です。
もし愛猫の願いと飼い主さんの思い、具体的なお世話が合致するなら、お互いに「理想の相手」ということです。
「頼もしい家来じゃ。褒めてつかわす」
愛猫大名がポンと膝の上に飛び乗り、ぬくぬくしてくれます。やさしいぬくもりが、いちばんのご褒美です。
まとめ
信頼できる飼い主さんかどうか、持ち前の鋭い洞察力で愛猫は見抜いています。なかなか距離が縮まらない場合は、飼い主さんの態度を改めて見直してみましょう。
今回は、そのポイントとして3つの要素を挙げました。接し方、お世話の方法を改善すると、別猫のようにガラッと変わる可能性もあります。相思相愛な関係を目指して、愛猫に寄り添った暮らしを実践してみてください。