1.わざと驚かせる
突然大きな声や音を出すなどして、意図的に猫を驚かせるようなイタズラは絶対にやめましょう。慌てて飛び上がって体をぶつけたり、着地に失敗して怪我をする可能性があるからです。家から脱走して事故に遭ってしまうことも考えられ、大変危険です。
猫を驚かせるイタズラで心理的なストレスを与える場合もあります。わざと驚かせたことがトラウマになり、飼い主さんに攻撃的になってしまうのです。一度信頼関係を失ってしまうと、元に戻すのは容易ではありません。
また、心臓や脳神経などに持病がある場合も、驚かせることで重篤化し命を落とす恐れがあります。猫は心臓などに病気があっても、重症になるまで目に見える症状として現れないことがほとんどですから、見た目だけで「健康だから大丈夫」とは言えません。
一時期、「飼い猫のそばにキュウリを置いて驚かせる」という動画が流行りました。外敵であるヘビに似ているため驚いてしまうのですが、このようなイタズラで命を落とすことも考えられます。
猫は繊細で警戒心が強いため驚きやすい傾向があるのですが、反応が面白いからといってわざと驚かせるのはやめましょう。
2.有害なものを食べさせる
刺激的な食べ物にチャレンジするのが好き、という人もいるかもしれませんが、猫には御法度です。食べ物の中には猫にとって毒性を示すものがあり、食べると中毒を起こして死に至ることもあるためです。
例えば、酸っぱそうにする反応が見たくてみかんを食べさせるのは絶対NG。みかんの皮には、猫が中毒症状を起こしやすい「リモネン」という成分が含まれており、中毒を起こす可能性があります。
その他、ネギ類、カフェイン、ぶどうなども、猫が中毒症状を起こしたという報告があがっているので注意が必要です。
また唐辛子やスパイスなどの香辛料も、猫にとっては危険です。内臓への負担が人間よりも大きいため、胃腸障害を起こす可能性があります。
3.人間の食事や薬を食べさせる
毒性がないものでも、人間が食べるような食べ物を猫に与えるのは危険です。
飼い主のご飯をお裾分けして反応を見る…というイタズラは一見すると愛があるようですが、場合によっては体調不良に陥り死を招くことがあるからです。悪意がない分、多くの飼い主さんがやってしまいがちなイタズラともいえます。
猫が中毒症状を起こすものは前述しましたが、その他に気を付けたいのが人間の薬やサプリメントです。
例えば「α-リポ酸」が含まれるダイエットサプリは猫を惹きつけるニオイな上、少量食べるだけでも肝不全で命を落とす危険性があります。また、鎮痛剤で馴染み深い「アセトアミノフェン」も、猫が摂取すると赤血球が溶解して死に至ることがあるのです。
そもそも猫と人間では、必要な栄養素が大きく異なり、代謝・解毒のシステムも異なります。毒性の有無に関わらず、反応が見たいからといって猫用でないものを与えるのは絶対にやめましょう。
4.ひげを切る
犬にユニークなカットをして楽しむ人もいるかと思いますが、これを猫で試すと命を落とす可能性があります。
というのも、猫は「ひげ」を切られると周辺の状況を察知する感覚が鈍ってしまうからです。その結果、普段はなんてことのない高さから転落して怪我をしたり、まっすぐ歩けなくて壁や家具に衝突するといったことが起こります。
とくに子供のいる家庭では注意が必要です。人形の髪を切るような気分で猫をカットし、間違えてひげを切ってしまうことがあるかもしれません。普通の毛と同化した短いひげもあるので、素人が判断してカットすること自体が危険なのです。
一度切られたひげは、元に戻るまでに数か月を要します。その間は常に危険にさらされている状態になるので、絶対に切らないようにしましょう。なお、勝手に抜けてしまった場合は問題ないので安心してくださいね。
まとめ
猫は非常に繊細な動物なので、ちょっとしたイタズラが悲しい結果を招いてしまう可能性があります。
愛猫の可愛らしい反応を見たくなったとしても、驚かせたり変なものを食べさせたりすることはやめてください。
ほんのイタズラでも、猫にとっては迷惑以外のなにものでもないことを覚えておきましょう。