リードをつけて、飼い猫と外出を
ウェブ上では、リードにつながれ世界各地を旅する猫が数多く紹介されています。しかもそうしたページは大人気で、SNSには何百万人ものフォロワーがいます。
Shropshire 州出身のJade de Monyéさんは、飼っていたペットを交通事故で亡くしたあと、メインクーンとラグラドールの混血猫Figaroを家族に迎えました。カナダの「世界を旅する冒険猫Suki」に触発された彼女は「愛猫とともに旅をしたい」と考え、すぐにFigaroの訓練を始めました。
「この猫は勇敢で、何も恐れないのよ」というJadeさん。ハーネスをつけ始めて1週間もたたないうちに、Figaroと一緒に散歩できるようになりました。その後猫用キャリーバッグも使い始めました。
「こんなに外出が好きな猫を見たのは初めてです。すごくうれしそうにしっぽを立てているし、瞳孔を広げて怖がるようなこともありません。家ではリードをつけて、猫用ドアを開けたままにしておくの。いつでも自分から出かけられるようにね。わたしが無理強いすることはありません」
2019年に「多発性硬化症」の診断を受けた彼女ですが、Figaroとの散歩で「人生が変わった」といいます。
「仕事が休みの日は、よく自宅にこもってひとりで落ち込んでいたわたしですが、Figaroが出かけたがるので、一緒にひっぱり出されるようになったのです。犬の散歩と違って、猫にやりたいようにさせるのです。水辺で長い時間座っているのが好きですね。鳥たちを見つめて楽しんでいるのです」
愛猫2匹とともにキャンプへ
Staffordshire のGreat Wyrleyに住むAnna Dukesさんは、飼っているスフィンクス猫とシャム猫をキャンピングカーに乗せ、よく旅に出ます。RolandとSydneyはともに3歳。キャンピングカーでドライブするのが大好きだそうです。
これまで英国各地のキャンプ場や海岸に出かけました。猫は大喜びですが、海水は避けているとのこと。
「海岸によく『犬の立ち入り禁止』という看板があるのは見かけますが、猫については表示されていませんからね。でも猫が逃げ出さないよう、必ずリードにつないでおきます」というAnnaさん。
ほかの犬や猫アレルギーのある人への配慮から、酒場やカフェにはいるときも「ミャール(メル)セデス」と名づけたカートに入れた猫とともに、屋外の席に座るようにしています。
「通りがかった人が好奇の視線を注ぎますが、気にしません。猫と一緒に楽しく過ごしているのですから」と彼女は話します。
猫のストレスに十分な配慮を
猫の保護団体「Cats Protection」は「こうした現象がトレンドになってきていますが、リードでつながれた猫のなかには、ストレスを感じている場合もあるのです」と話しています。
猫の行動に詳しい同団体のDaniel Warren-Cummings担当官も、「猫は自分のペースで外の世界を探検したがるのです。怖いものに遭遇したら、すぐに身を隠すことができますからね」といいます。
SNS上でリードをつけた猫を見るたびに、「猫にハーネスをつけようとしてひっかかれた飼い主が、少数ながらもいるはずです」と彼は指摘しています。
英国動物虐待防止協会(RSPCA)の広報担当者は「リードをつけても愛猫にストレスを与えないと考える飼い主であっても、猫へのリード装着は時間をかけて徐々に行い、ご褒美を与えるなど楽しい経験として導入すべき」と声明を出しています。
さらに「外そうとしたり逃げたりして、少しでもストレスを感じているようなら、すぐにやめてください」と付け加えています。