1.蛇口から水を飲みたいから
洗面台やシンクなど、水が出る場所を陣取る猫は多いものです。
その理由は、蛇口から出る水を飲みたいから。給水用の器が置いてあるにもかかわらず、なぜ猫は蛇口から水を飲みたがるのでしょうか。
その理由としては、流れる水が狩猟本能をくすぐるから。野生本能のある猫にとって、動く水は興味の対象となります。また、出てきたばかりの水が「新鮮=おいしい」ことをわかっているからです。
かつては野生の生活で暮らしてきた猫にとって、「水場=命に関わる大切な場所」なのです。イエネコになった今でも、野生の本能によって、水場の重要性を察知しているとも考えられます。
2.ベッドとして快適だから
猫が洗面台やシンクを陣取るのは、ただ単純に「寝心地が良い」からという理由もあります。猫はキレイ好きなので、普段から清潔が保たれているシンクはつい寝転がりたくなる場所のようです。
夏場になると、シンクの素材であるのステンレスクォーツはツルツルしていて心地よく、洗面台によく使われるホーローに関してはヒンヤリとした感触でいかにも猫が好きそうですよね。
また、冬場になると、お風呂場の湯船のフタの上を陣取る猫もいて、中にはトイレの蓋の上で暖房便座のぬくもりにあやかる猫も。
いずれも体温調節という意味もありつつ、ただただ気持ちがよいのでしょう。
3.かまってもらいたいから
猫は意外と人間の行動を熟知しているので、飼い主さんの行動パターンを把握しています。
外出前は洗面台を使うことや就寝前にトイレに行くなど、猫は人間が1日に何度も「水場」を利用することを知っているのです。猫の中には「水場にいれば、飼い主さんが来る」「ここで寝ていればかまってもらえる」と認識している子もいます。
たとえば、給水用の器に入った水を、猫がわざとこぼすことがありますよね。これは、過去に同じことをして叱られたのに(あの時の飼い主さんの反応が嬉しかったから)という気持ちからその後もしている場合も。
そのため、猫は水場にいることで猫が飼い主さんにかまってもらえると思っている可能性もあるのです。
洗面台やシンクを占拠されて困ったときの対処法
水場を占拠している猫を見ると「カワイイ♡」と思う反面、お水が使えなくて困りますよね。しかもキッチン周りやシンクですと、火や刃物も使う場所なので心配も伴うものです。しかも食べ物のある場所なので、猫の抜け毛やフケなど不衛生でもあります。
もし猫がシンクの中に入ることを避けたい場合は、「シンクカバー」がおすすめです。市販のものもありますし、スノコやお風呂のフタを使ってDIYすることもできます。
その他、洗面所やトイレ、お風呂周りといった水場に入ってもらいたくない場合は、猫がその場所にいるときにスプレーで水をシュッとかけたり、猫の苦手な香りを置いたりする方法もあります。
ただし、猫の苦手な香りは猫の健康を害する懸念もあるので、猫が触れたり口に入れないような配慮が鉄則です。
まとめ
猫を飼っている多くの人は、愛猫が水場に居ても不快に感じることはないようです。
しかし、先述した猫の心理から、猫のニーズをキャッチすることも必要ですし、衛生上の問題からしかるべき対応が必要になる場合もあります。
猫が「流れる水が飲みたい」と感じているなら、自動給水器を用意してみたり、ベッドとしてシンクが気に入っている猫に「猫用のシンク」をDIYしたり、と愛猫が占拠する理由によって対処法はさまざまです。
愛猫のために、ぜひ適切な理由を推察し、お互い幸せな空間になるような対処法を探してあげてくださいね。