猫がオドオド『臆病』な性格になる3つの原因 繊細な猫に起きがちなトラブルも解説

猫がオドオド『臆病』な性格になる3つの原因 繊細な猫に起きがちなトラブルも解説

猫の中には、少しの刺激で驚いてしまう「臆病」な性格の子がいます。そこで今回は、猫がすぐにオドオドしてしまうような「臆病」な性格になる原因や、繊細さんによくあるトラブルを紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.先天的な気質

グレーの子猫

猫が臆病になる原因のひとつとして、先天的なものが挙げられます。人間でも、親の性格を子が引き継ぐ、ということがありますよね。一説によると、猫の場合は父が臆病だと子猫も臆病になりやすいそうです。

また、もともと怖がりな気質になりやすい猫種というものもあります。その代表的なのは、色素が薄い毛色の猫種です。これは、毛色の遺伝子が神経伝達物質の生成とつながりがあるためで、白猫は騒音を怖がりやすいというデータも実際にあります。

しかし、これらはあくまで先天的な気質であるため、大人になるにつれて変化していく場合もあります。飼い主・同居ペットとの関わりや環境が影響して、臆病な性格が治るケースもあるのです。

2.母猫との関係

猫の親子

一方、後天的な要因で臆病な性格になってしまうこともあります。

その代表的なものが、「社会化期における母猫の不在」です。生後2~7週間は社会化期と呼ばれ、母猫とともにあらゆる経験を重ねていく時期。この時期に母猫と暮らせないと、未知のものへの恐怖心が大きくなってしまうのです。

そのため、子猫のうちに捨てられて保護された子猫は臆病な性格であることが多いです。本来であれば、母猫の真似をしてさまざまな経験を積んでいたはずだったのですから仕方がありません。

しかし、社会化期に母猫と暮らせなかった猫でも、あとから経験を積むことで恐怖心を克服できます。生活音や人間が猫に害を与えるものではないことを少しずつ教えていけば、過剰な防衛本能も和らいでいくはずです。

3.栄養不足

餌をたべる子猫

実は「栄養不足」が原因で、臆病な性格になることもあります。

子猫の間の栄養状態は、体作りだけでなく性格にも影響を与えるといわれているためです。栄養不足が続くと発育不全が起こり、脳の発育も遅れます。その結果、普通の猫よりも学習能力が低くなってしまうのです。

また、栄養状態が悪いと、心も成長しにくくなります。心が育たず情緒不安定になると、日常の些細な刺激で怯えるようになるのです。さらに、あまりに恐怖心が強いために、人間や同居ペットに対して攻撃的になる猫もいます。

繊細な猫に起きがちなトラブル

シーツに隠れる猫
  • 物音に驚いて家から脱走
  • 爪切りやブラッシングができない
  • 動物病院へ連れていけない
  • ストレスがたまって病気になる
  • 強い恐怖心から攻撃的になる

極端に臆病な性格の猫は、日常生活を送る中でトラブルにつながりやすくなります。最も心配なのは、ちょっとした物音や来客に驚いて家から脱走してしまうことでしょう。実際に、近所で工事をしていたり花火大会が開催されたときには、行方不明になる猫が増えるといいます。

またキャリーバッグに恐怖心を持つと、体調を崩したときに動物病院に連れていくこともできません。健康診断のハードルも上がり、病気になっても早期発見しにくいというデメリットもあります。そもそもその繊細な気質から、ストレスを抱え込みやすいという点も心配です。

これらのトラブルを防ぐために、日常生活で必要なアイテムは普段から慣らせておくのがおすすめです。

生活音をまとめた音源を部屋に流したり、爪切りやブラシ、キャリーバッグなどはこまめに使って「馴染み深いもの」にしておきましょう。また、万が一のときに備えて、扉や窓に脱走できない仕組みを作っておくことも大切です。

まとめ

女性と猫

今回は、猫が「臆病」な性格になる原因について解説しました。

猫への接し方によっては、臆病な性格がさらにひどくなってしまうこともあります。繊細な心を持つ猫には優しく声をかけるようにして、やすらげる環境を作ってあげましょう。

なお、意味もなく突然大きな声を出したり、無理矢理触ることは絶対にやめてくださいね。

時間をかけて少しずつ警戒心を解いてあげることで、もしかすると臆病な性格が改善されていくかもしれません。

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